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40代がこれから直面するヤバい「職場の大激変」とは⁉

2019年12月09日 公開
2023年02月24日 更新

河合雅司(人口減少対策総合研究所 理事長/作家・ジャーナリスト)

人口減少時代の日本に降りかかる問題点

著書のベストセラー『未来の年表』『未来の年表2』で、統計データをもとにこれからの日本に起こる様々なことを予測し、読者に衝撃を与えた河合雅司氏。激変するであろうこれからの数十年で、我々の働く職場はどのように変わるのか。変化にうまく適応するにはどうすればよいかをうかがった。

 

交通機関の路線縮小で、会議に遅刻が頻発する⁉

これから少子高齢化、人口減少が進むことはわかっていても、その実態を正しく把握している人は多くありません。しかし、これから訪れる変化は私たちの働き方や職場のあり方を大きく変えることになります。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、今後20年近く高齢者は増え続け、2042年にその数はピークを迎えます。これを境に、若い世代だけでなく高齢者の数も減り始めて、社会全体が縮み始めます。そうなれば、私たちが今見ている社会そのものが激変します。

例えば、鉄道やバスの路線廃止は、人口減少によって間違いなく起こるであろう変化の一つです。しかも、過疎が進んだ地方だけでなく、東京や大阪などの大都市圏でも路線が減らされることが予想されます。

すでに東京都の西部を走るJR青梅線や五日市線が運行本数を減らしたり、神奈川県を走るJR横浜線で相模線からの直通列車の一部が廃止されたりしています。今後さらに公共交通機関の利用者が減れば、運行本数も減り、通勤や仕事中の移動にも影響を与える可能性は大いにあるでしょう。

「今までは余裕で間に合っていた会議に遅刻してしまった」といったことが頻繁に発生し、スケジュールの見直しを余儀なくされるビジネスパーソンは多くなるはずです。

 

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著者紹介

河合雅司(かわい・まさし)

人口減少対策総合研究所 理事長/作家・ジャーナリスト

1963年、名古屋市生まれ。中央大学卒業。産経新聞社論説委員を経て、一般社団法人「人口減少対策総合研究所」理事長に就任。現在、高知大学客員教授、大正大学客員教授、日本医師会総合政策研究機構客員研究員など多くの職務を兼任。厚労省をはじめ政府の各有識者会議委員も務める。ニッポン放送のニュース解説番組『ザ・フォーカス』(18:00~20:20生放送)のレギュラーコメンテーター。新聞、雑誌などで複数の連載も手掛ける。2014年に「ファイザー医学記事賞」の大賞、18年にNPO法人ひまわりの会「ひまわり褒章」の個人部門賞、19年に「第80回文藝春秋読者賞」など受賞多数。人口減少日本で起きることを克明に描いた著書『未来の年表』(講談社現代新書)、続編の『未来の年表2』(同)、最新刊の『未来の地図帳』(同)はいずれもベストセラーとなり、累計で86万部(2019年9月末日現在)を突破した。これら以外にも『日本の少子化 百年の迷走』(新潮社新潮選書)、『河合雅司の未来の透視図』(ビジネス社)、『マンガでわかる未来の年表』(講談社、漫画・水上航、監修・河合雅司)など数多くの著書がある。

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