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お金持ちでなくても可能?失敗しない「海外逃亡」のススメ

2020年03月06日 公開
2020年04月07日 更新

<連載>世界の「残念な」ビジネスマンたち(52)石澤義裕(デザイナー)

秘伝の策は「欧州キャンピングカーの旅」

同伴逃亡してくれる奥さんか恋人がいる方は、常日頃から「パリやニューヨークのような欧米は、諦めてくれ!」と、釘を刺しておきましょう。

欧米諸国は、なにかとパスポートチェックがあります。すぐにICPOの銭形刑事がお迎えに来ます。

そしてなにより物価が高い。

逃亡の基本方針は、細く長くです。

ただ、もし決行日が前もってわかっているのなら、本邦初公開の秘伝を授けましょう。

あらかじめ、ヨーロッパでキャンピングカーを用意します。

ポルトガルは無料で車中泊できる駐車場があるし、スペインは巨大な道の駅みたいなものもあるし、ノルウェーは民家から離れていれば野宿は合法です。

アイルランドにも「Wild Camping」と呼ばれる車中泊できる場所が、たくさんあります。

いずれも管理人はいないので、身元はチェックされません。


アイルランドの無料駐車場。海鳴りが聞こえるだけ。

 

昨今、日本は第二次キャンピングブームに浮かれているそうですから、「海外逃亡アウトドア編」を書けば売れること間違いなし。逃亡資金の足しになるし、有名人になって恩赦を申請してみるのも話題になります。

ひとつ重要なことは、多くの無料駐車場はトイレがありません。トイレ付きの大型キャンピングカーをお買い求めください。

ちなみに我が家は通算で1年以上ヨーロッパをドライブしていますが、滅多なことでは警察官にお会いできません。EUが崩壊する日まで逃げられます。

 

「ヤバイ先輩方」の多い東南アジア

日本人が海外へ逃げるとなると、馴染み深いのはタイやフィリピンです。

しかし、東南アジアは鬼門です。

食い詰めたその筋の人や先客の逃亡者が網を張っていて、餌食になります。逃げて早々、優しい人に会ったわ〜なんて喜んでいると、身ぐるみ剥がされます。

家から一歩も出なければ大丈夫!と思うかもしれませんが、振り込め詐欺の東南アジア営業所は、「日本人が家から出てこない」と怪しまれて、警察に通報されています。

逃亡先の条件は、

1 日本人が少なくて

2 外出しなくても怪しまれない寒い地域

そしてなによりも重要なのが、

3 ビザなし渡航できること

日本のパスポートは世界最強です。対象国は190カ国にのぼりますが、よりどりみどりではありません。

付随する条件として、

4 陸路で繋がった近隣諸国も、ビザなし渡航できること

 

つまり、数カ国をひとつのグループとして捉え、違法滞在にならないようにぐるぐると渡り歩く作戦です。

陸路とこだわったのは、フェリー等に乗るとパスポートチェックをされる確率が高くなるからです。

先の欧米と東南アジアを省くと、3つの地域に分かれます。

1 南米グループ(コロンビア、エクアドル、チリ、ボリビア、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ)

2 南・東部アフリカグループ(南アフリカ、ボツワナ、ザンビア、ジンバブエ、レソト、エスワニティ、モザンビーク)

3 中米グループ(メキシコ、グァテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パナマ、コスタリカ、ベリーズ)

中米は暑い国が多いので、初心者には1と2がオススメです。

南米とアフリカは暑いイメージですが、標高が高いと涼しく、東京よりはるかに過ごしやすいです。

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著者紹介

石澤義裕(いしざわ・よしひろ)

デザイナー

1965年、北海道旭川市生まれ。札幌で育ち、東京で大人になる。新宿にてデザイナーとして活動後、2005年4月より夫婦で世界一周中。生活費を稼ぎながら旅を続ける、ワーキング・パッカー。

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