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LINE社長を辞めてでも成し遂げたかった「日本が元気になるメディア」



2020年11月18日 公開

森川亮(C Channel代表取締役社長)

森川亮

日々目まぐるしく変化するビジネスの世界で、成功・成長している企業はどのような仕事をしているのか。

本稿では動画メディアで成長する企業C Channelの代表である森川亮氏を取り上げる。(取材・構成:杉山直隆)

※本稿は月刊誌『THE21』2020年11月号より一部抜粋・編集したものです。

 

LINEの社長を辞めて起業した理由とは?

「残りの人生で、日本を元気にすることをしたい」――。LINEの社長を退いて、5年前にこの会社を立ち上げたのは、そんな思いがあったからです。

現在53歳の私が子供だった頃は、日本経済は右肩上がりでした。その頃の日本を取り戻すには、どうすればいいのだろうか? そう考えた末、「日本の人々が元気になるメディアを作りたい」と思い至りました。

当時はまだインスタグラムの動画機能もTikTokもありませんでしたが、大勢の人たちがスマホで手軽に動画を観る時代が必ず来ると確信して始めたのが、F1層(20~34歳の女性)を対象とした縦型動画メディア「C CHANNEL」です。

「FIND YOUR CAWAII WAY(あなただけのカワイイを見つけて)」をコンセプトに、メイクやネイルの仕方、お勧めのファッション、料理の作り方などの動画を配信しています。

ユーザーの好みに合わせられるよう、動画の制作チームもF1層を中心に編成しています。映像を早送りにしたり、BGMをアップテンポにしたりと、試行錯誤を重ねながらノウハウを蓄積してきました。

「クリッパー」や「YouTubeクリエイター」というインフルエンサーを育てていることも、当社の大きな特徴です。こうしてユーザーが求める情報を提供し続けた結果、動画メディアで日本最大級のSNSフォロワー数を獲得できており、国内外のフォロワー数は3830万を超えます。

当社に所属するインフルエンサーもファンをつかんでいて、書籍やコラボ商品を出している人もいます。

「C CHANNEL」をはじめとするメディア事業の売上は、クライアントの商品のネイティブ動画広告を制作して配信するなどの広告収入と、クライアントの商品をインフルエンサーたちに使ってもらってSNSに感想を投稿してもらうインフルエンサーマーケティングが主です。

日本だけでなく、インドネシアや中国など、海外でも展開しています。2016年からは、アパレルや化粧品のeコマース事業にも進出しました。「KOBE LETTUCE」などのオリジナルブランドを販売していて、メディア事業を超える収入の柱です。

 

事業をアップデートし、新型コロナも追い風に

新型コロナウイルスの流行は、当社にとって追い風になる面もあると捉えています。これを機に、eコマースやデジタル広告に力を入れる企業が増えるだろうからです。実際、コロナ禍前と比べ、広告収入は下がっているものの、問い合わせの件数は増えています。

ただでさえF1層向けのサービスは流行り廃りが激しいので、時代に合わせて、事業は常にアップデートしています。例えば、今年4月には、新サービス「Lemon Square」を開始しました。

これは、SNSのフォロワーが10万人以下の「マイクロ・ナノインフルエンサー」によるインフルエンサーマーケティングのサービスです。この種のマーケティングが進んでいるインドネシアで先行して始め、ノウハウを得てから、日本でも立ち上げました。

開始から4カ月で、登録しているマイクロ・ナノインフルエンサーは2500人を超え、総リーチフォロワー数(登録者のフォロワー数の合計)は2500万人に達しています。

近年はユーザーに合わせて広告を表示する技術の精度が上がっていますが、個人情報の面で懸念もあります。そのため、今後は、このようなインフルエンサーを活用した広告モデルが伸びると見ています。

一方、今年9月末には「C CHANNEL」のアプリの提供を終了し、動画コンテンツの配信をウェブサイトと既存のSNSプラットフォームだけに絞り込むことにしました。

ユーザーが最もよく起動するアプリはSNSですから、自社アプリを起動してもらうためにお金と時間を使うより、SNS内で動画を配信するほうが得策だと考えたのです。

9月1日には、働く女性を応援するYouTubeチャンネル「newme」を立ち上げました。「出会う。学ぶ。未来が変わる。次の一歩のヒントがここに。」をテーマに、金融や政治など、各分野のプロフェッショナルをゲストに招き、従来の概念にとらわれない生き方を選ぶために必要な情報を提供していきます。

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