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迫りくる大経済圏時代 最有力候補である通信キャリア「SRAD」の動向を読み解く



2021年03月30日 公開

八木典裕(ベイカレント・コンサルティング チーフエバンジェリスト)

単なる”ポイント経済圏”では足りない

 経済圏のような大掛かりな仕掛けに挑めるプレイヤーは、そう多くない。少なくとも下記の条件を満たさなければ、経済圏プラットフォーマーとしての成功は望めないであろう。

条件(1) サービスを多角化するための企業体力があること
 経済圏として様々なサービスを打ち出すには、豊富な資金力と人材が必要となる。まだ1事業だけで成果を上げているような企業は、名乗りを上げるには時期尚早と言えるだろう。

条件(2) 日常使いできるサービスを提供し、消費者から忘れられないこと
 毎日のように使われるサービスを持っていないと、消費者を経済圏住民として留め置くことはできない。また、公共インフラのように完全に生活に溶け込んでしまうと、意識されなくなるため注意が必要だ。

条件(3) 顧客接点となるチャネルを持っており、適宜プロモーションできること
 経済圏を構築すれば、あらゆる方面から顧客を迎え入れることが可能となるが、プロモーションするためのチャネルが無ければアクションできない。顧客と直接コミュニケーションを取れるチャネルを有していることが条件となる。

図2:経済圏プラットフォーマーの条件
プラットフォーマー

 弊社が通信キャリアであるSRADに注目している理由は、この3つの条件を満たしているからだ。Eコマースと金融サービスを軸に経済圏を形成してきた楽天や、スマホを武器に強固な顧客基盤を構築してきたNTTドコモ、au、ソフトバンクは、どの条件も概ねクリアしている。

 そして、経済圏プラットフォーマーとなるためには、サービスを下支えするためのインフラ構築も不可欠となるが、具体的には6つの要素を満たしていく必要がある。経済圏と聞くと、”共通ポイント”というイメージが強いかもしれないが、それだけではないということだ。

 例えば、既存サービスで登録していたアカウント情報や決済情報が、新たなサービスでもそのまま使えるのであれば顧客を取り込みやすくなる。消費者にとって初期設定に必要な煩雑な登録作業は、新サービスを利用するうえで大きなハードルとなるからだ。

 また、経済圏内の行動データを一元的に蓄積していくことにより、顧客のことをより深く理解でき、個人に合った質の高いレコメンドサービスを提供できる。1つのアプリで複数サービスを利用できるよう、顧客との接点となるチャネルを統合していけば、重複感のないプロモーションを打つことができるだろう。

 また、「親しみのある会社だ」、「安心できるサービスを持っている」といった企業ブランドの高い評価があれば、新たなサービスを展開するうえで助けとなる。特に、消費者にとって安心感が決め手となるような金融系サービスでは、企業ブランドは強力な武器となるだろう。

 このように、経済圏を支えるインフラの力を蓄えていけば、個別のサービスを連携させ、より競争力の高いサービスを提供することにつながっていくのである。

図3:経済圏プラットフォームの構造
国内プラットフォーム

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