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「落ちこぼれ会社員」の社内評価を一変させた“SNSの力”

2021年05月13日 公開
2023年02月21日 更新

徳力基彦(noteプロデューサー・ブロガー)

徳力基彦『「普通」の人のためのSNSの教科書』

「組織に属するビジネスパーソンこそ、SNSをビジネスに活用したほうがいい」。そう話すのは、『「普通」の人のためのSNSの教科書』著者で、noteプロデューサーの徳力基彦氏。会社員時代からSNSやブログでの発信を始めたことで、社外ネットワークを築くことができ、今につながったという。

さらに注目なのは、一部のインフルエンサーのような過激な発信は一切していないそうだ。徳力氏が考える「普通のビジネスパーソンのためのSNS活用術」とは?(取材・構成=杉山直隆)

本稿ではSNSが"普通"のビジネスパーソンにもたらす効果と、目的別に適したおすすめのSNSを紹介する。

 

SNSが生む「プルのコミュニケーション」

会社員など組織に属する方は、Twitter やFacebook などのSNSを、プライベートでしか使っていない方が多いのではないかと思います。

しかし、それはもったいない。私は、組織のビジネスパーソンこそ、SNSを仕事に活用することをお勧めします。SNSでの活動を積極的に行なっていると、社外の人とのつながりができ、仕事にも好影響をもたらすからです。

例えば、「新規顧客を開拓できた」「良いビジネスパートナーが見つかった」「Webメディアから連載の執筆依頼が来た」「人脈がきっかけになり、転職に成功した」……。枚挙に暇いとまがありません。

SNSの長所は、「プル(Pull)のコミュニケーション」が起こりやすいことです。これは、自分が発信したことを読んだ人が、自分に声をかけてくれること。

自分に興味のある人が向こうからやってきてくれるので、自分から声をかける「プッシュ(Push)のコミュニケーション」よりも親しくなりやすいのです。リアルの場では会えないような人とつながれる可能性もあります。

私も、以前は落ちこぼれのビジネスパーソンだったのですが、SNSやブログを始めたことで、社外の人たちとのネットワークができました。それによって、自社の認知度を広めることができ、会社での立場が一変しました。

さらには、共著の出版や大規模イベントの立ち上げなどもすることができ、新会社の設立メンバーにも誘われました。これらが、現在の活動の礎となっています。SNSがなかったら、今の私はないでしょう。

 

過激でなければ炎上の心配なし

SNSを使って社外のネットワークを築くためには、アカウントを実名にすることが重要です。匿名と比べて、ビジネスのつながりが明らかに作りやすくなるからです。完全な実名でなくても、実名に近い形にすることをお勧めしています。

そう言うと、二の足を踏む人は多いかもしれません。会社にバレて問題になったら面倒だし、実名で炎上したら取り返しのつかないことになる……。そんなリスクを負うことはできない、というわけです。

しかし、会社でSNSが禁止されているならともかく、そうでないなら心配は要りません。過激なことを投稿しなければ、そう簡単に炎上しないからです。過激なことを言わなければならないと考えるのは、過激なインフルエンサーのふるまいを見ているからでしょう。

確かに一部のインフルエンサーは、極端な主張によって注目を集め、多くのフォロワーを獲得しています。極端なことを言ったほうがコアなファンがつきやすいので、あえてリスクを冒しています。

しかし、大部分のビジネスパーソンはそこまでリスクを冒す必要はありません。穏やかなことを地道に発信し続けていれば、自分の価値観やキャラクターを伝えることができ、あなたに共感する人と出会えるからです。むしろ過激なことを言わないほうが、良い人とつながれるでしょう。

その証拠が私。SNS上で過激な主張はしていませんが、たくさんの素晴らしいビジネスパーソンと出会えました。過激なインフルエンサーのマネは不要。普通の人には普通の人の「SNS活用術」があります。その方法をお伝えしていきましょう。

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