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情報収集で成果を出す人、そうでない人の決定的な差

2022年01月13日 公開
2023年02月21日 更新

阿佐見綾香(電通 戦略プランナー)

阿佐見綾香

せっかく一生懸命集めた情報が、何の役にも立たない…といった経験はないだろうか。この原因はどこにあるのか。『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書』著者で、電通現役戦略プランナーの阿佐見綾香さんは、「"調べ方"さえ変えれば、ビジネスに活かせる情報を最速で集められるという。

※本稿は、阿佐見綾香著『電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

 

何時間かけても有益な情報を得られない人、わずかな時間で必要な情報を集められる人

「せっかく数週間調べたのに、何も有益な情報が得られなかった……」
「商品やマーケットのリサーチをしたのに、目新しい情報がなく、ありきたりな情報ばかりだった……」

このように、集めた情報をまったく活かせず、調べたこと自体が無駄になった経験はないでしょうか?

時間や労力をかけて行ったリサーチなのに、何も得ることができないということほど、つらいことはありませんよね。リサーチをした自分自身の落胆だけでなく、周囲からも「一体、あの人は長時間もかけて何をやっていたのだろう?」と言われてしまうこともあるかもしれません。

一方で、わずかな時間で必要な情報をあっという間に集めてしまう人もいます。そういう人は、集めた情報を上手いこと活用し、仕事でバンバン成果を出していきます。

この違いは一体どこから生まれてくるのでしょうか?

 

失敗しやすいリサーチの始め方のパターン

「とりあえず、調査しようか」

会議でよく聞くセリフではないでしょうか。実は私自身が今の会社に入社したての頃によくしていた発想です。

新人の頃の私は、「必要な情報を集めないことには、スタートラインに立てない」という焦燥感から、「とりあえず、リサーチをしなくては」と考えていました。さらに、「とりあえずリサーチをすれば、何か新しい情報が出てくるのではないか」、「新しい視点やアイデアなど、何か生まれるのではないか」という期待を抱いていました。

しかし、この考え方が何時間かけても有益な情報を集められないことの元凶だったのです。実は、「とりあえず調査を」と始められたリサーチは、失敗する確率がとても高くなるのです。

その理由を、具体例をあげて説明しましょう。

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