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外国人労働者による人手確保は安直な考え

2019年08月16日 公開
2019年08月17日 更新

デービッド・アトキンソン(小西美術工藝社代表取締役社長)

中小企業を美化する妄想から脱却せよ

――ただ日本では、「下町の中小企業が国内経済を支えている」という意見も多いでしょう。こうした考え方は、時代にそぐわなくなっているのでしょうか。

【アトキンソン】 中小企業を美化する妄想ですね。その技術力は企業が大きくなれば、さらに発揮できるでしょうし、無理して頑張って成功することを絶賛する余裕のある時代ではないのです。

日本が今後、急速に縮んでいくなかで、国益にかなった政策を政府は進めなければなりません。

もはや人口増加によって経済成長してきたモデルをとれない以上、日本の生き残る道は生産性を向上させるしかない。

そのためには中小企業を合併・統合するべきで、当事者である経営者を動かす必要がある。そこで最も有効な策が、最低賃金の引き上げというわけです。

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