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「飛行機の飛ばし先がない…」韓国の反日感情が生んだ”自業自得”の経営難

2019年11月22日 公開

渡邉哲也(経済評論家)

渡邉哲也

かつて“世界のサムスン”と称され、半導体業界をけん引していたサムスン。しかし、その栄光は、いまやすっかり影を潜めた。

トップカンパニーの零落ぶりに引っ張られるように、ほかの韓国企業の衰退も著しい。その象徴といえそうなのが、大韓航空とアシアナ航空という韓国を代表する2大航空会社だ。

本稿では、渡邉哲也氏の新著『世界と日本経済大予測2020』(PHP研究所)より、韓国経済を揺るがす航空会社事情について論じる。

 

サムスンの“夜逃げ”

韓国の半導体大手のサムスンは、以前からアメリカに拠点を移す動きを見せている。

もともとアメリカのファウンダリーを買収したところから半導体事業は始まっており、サムスンのファウンダリーをアメリカに全部移せば、対日輸出の損失分はカバーできる。

すでに中国市場においてサムスンの低迷は顕著で、スマートフォン事業は生産の一部をベトナムに移し始めている。だが、半導体は話が別だ。

メーカーであれば、データサーバーを完全に破壊して出て行かなければならず、それを怠れば技術の流出等につながる。

ただし、半導体工場を壊す場合には、工場を3日止めておいたら、使用している純水に不純物が入り込んでしまうため、そうなると、プラントとして再開するのは極めて難しく、コストをあまりかけずに撤退が可能となる。

もし、プラントを復活させようと思ったら、日本から水用のフィルター装置など消耗系の素材を入れる必要がある。

他の産業に比べて、半導体の場合は、企業秘密が漏洩しないように工場を壊して中国から撤退することは、比較的楽にできるのである。

 

モノ余りが切実に

現在の韓国の主要産業は半導体、有機EL、液晶である。

有機ELは出光興産の特許がないと作れない。逆に日本製の生産設備と、出光の特許の素材があればどこでも作れるため、韓国での製造にこだわる必要はない。液晶テレビは中国の増産で余ってしまい、世界的にダブついている。

半導体もこれまで述べた通りで非常に厳しい。この1年で仮想通貨バブル崩壊により、半導体、DRAMの値段が5分の1に暴落した。つまり韓国の主要産業はほとんど見通しが立たないような状況になっている。

さらに米中貿易戦争の影響で、国際物流の量が減っており、船や自動車が余っている状況。鉄鋼も余っている。自動車は中国市場だけでもかなり余剰が生じていると言われている。

造船、鉄鋼、自動車など韓国を支える産業は、世界に存在感を示せておらず、2020年以降、かなり厳しい局面を迎えると考えていいだろう。

しかも、韓国がホワイト国リストから日本を外したところで、日本側は痛くも痒くもない。韓国の作っているものは、他国でいくらでも調達が可能だからだ。韓国が輸出管理を厳格化して調達に時間を要するようなら、日本側は別の国から輸入すればいい。

一方、日本が提供している製品の多くはキーパーツであり、代替え調達ができない。

そうすると、韓国によるホワイト国外しは、韓国企業のビジネス機会を失わせる負の効果しかない。相手がホワイト国から外したので、自分も相手を外すという単純な報復が、まったく意味をなさないことを韓国政府は理解できていないのであろう。

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