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コロナ禍に乗じた「中国の不穏な動き」… 統合幕僚長が抱く“国民を守る覚悟”



2020年06月15日 公開

山崎幸二(第六代統合幕僚長)

山崎幸二(第六代統合幕僚長、写真提供:防衛省)
(写真提供:防衛省)

《新型コロナウイルスの蔓延に乗じて、東アジアでは中国や北朝鮮による挑発がエスカレートしている。

ウイルスのみならず、自衛隊は平時からあらゆる脅威に向き合っているのだ。未曾有の危機を我が国はいかに乗り越えるのか。自衛隊制服組トップである山崎幸二統合幕僚長に、日本の平和と安全を守る覚悟について聞いた(聞き手:『Voice』編集部・中西史也)》

本稿は月刊誌『Voice』2020年7月号、山崎幸二氏の「『未知なる脅威』から国民を守る」より一部抜粋・編集したものです。

 

中国海軍の「新たな動き」

――新型コロナによる混乱に乗じて、北朝鮮は3月だけで4回、ミサイルを発射しました。同国の動きをどうみていますか。

(山崎)北朝鮮による度重なる短距離弾道ミサイル発射は、国連安保理決議に対する明確な違反です。北朝鮮は一連の軍事活動により、ミサイル関連技術や運用能力の向上を目論んでいます。

また、新型コロナの影響で内部のさらなる引き締めを図りつつ、体制の指導力や軍態勢の維持のアピールを狙っている可能性も否めません。

自衛隊としては引き続き、米国及び関係国と緊密に連携し、必要な情報収集と分析に努め、警戒監視に万全を期していきたいと考えています。

――一方の中国は4月28日、空母「遼寧(りょうねい)」など6隻を沖縄本島と宮古島のあいだに北上させました。河野防衛大臣は、こうした軍事的挑発に対して「きわめてけしからん」と発言されています。制服組のトップとしてはどう捉えていますか。

(山崎)同日の中国海軍の行動は「新たな動き」であり、強い関心を向けています。国際社会が新型コロナ対応に全力を挙げる状況下でも、わが国固有の領土である尖閣諸島が所在する東シナ海、太平洋及び南シナ海における中国の活発な軍事活動は変わりません。

彼らは尖閣諸島の周辺海域で日本の領海に繰り返し侵入するなど、力を背景とした一方的な現状変更の試みを継続しています。北朝鮮への対応と同様、引き続き警戒監視活動を徹底し、わが国の領域や主権を断固として守り抜く覚悟です。

一方で、厳しい情勢下にあり、また無用なエスカレーションを避ける観点からも、近隣諸国とのコミュニケーションは重要です。安全保障分野における日中間の関係構築・強化のための努力も必要です。

そのために、あらゆる機会とレベルにおいて、中国とも意思疎通を図らなければならないと考えています。

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