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新しいお札の顔「渋沢栄一」が導く未来



2020年10月19日 公開

渡部清二(複眼経済塾・塾長)、エミン・ユルマズ(複眼経済塾・塾頭)

渡部清二(複眼経済塾・塾長)、エミン・ユルマズ(複眼経済塾・塾頭)

今回の新型コロナによって、より安心で安全だという「ジャパン・クオリティ」が、あらためて見直されることになった。そして、これまで海外に流れていたヒト・モノ・カネが日本に戻ってくるという大きな波が生じている。

2024年にデザインが新しくなる日本のお札は、まさにその象徴となるだろう。渋沢栄一を生んだ日本だからこそ、世界をリードしていける──。

※本稿は『ウィズコロナ 日本株にビッグウェーブがやって来る!』(かや書房)の内容を一部抜粋・編集したものです。 
 

「近代日本経済の父」渋沢栄一

【エミン】2024年に1万円札、5000円札、1000円札のデザインが新しくなることが2019年に発表されました。令和時代のテーマは、実は次の紙幣になる人たちで決まっていると私は思っていました。

【渡部】1万円札は渋沢栄一です。

【エミン】彼は「近代日本経済の父」と呼ばれている人で、明治維新後に現代にも通じる日本経済の基礎をつくった人です。

【渡部】 渋沢栄一は銀行や製紙会社、紡績会社、保険会社、鉄道会社など、生涯に約500もの企業を立ち上げ、その育成に関わっただけでなく、600にも及ぶ社会公共事業にも携わりました。

【エミン】英語の「bank」を「銀行」と訳したのも彼という話ですね。

【渡部】 東京株式取引所の設立にも彼が関わっています。

【エミン】 渋沢栄一のすごいところは、いろいろな企業を設立して経済を発展させても、その利益を自分一人のものにしようとはしないで、社会のために役立てようとしたことです。

【渡部】彼は「道徳経済合一説」という理念を唱えていたことでも有名です。利益は独占するものではく、全体で共有するものだとして、富を社会に還元することで国全体を豊かにしようという考えでした。だからこそ病院や慈善活動、学校教育などの社会公共事業にも数多く関わっていったのです。

【エミン】アメリカのウォール街の強欲資本主義とは真逆の考えです。そんな渋沢栄一の考えがあったからこそ、戦前の日本経済は発展し、日本株も上がっていきました。

先ほど渡部さんがアメリカの経営者団体の「ビジネス・ラウンドテーブル」がこれまでの「株主第一主義」を見直すと宣言したことを紹介されました。まさにこれからは渋沢栄一のように、富を独占するのではなく、社会や従業員に還元する方向に向かうべきですし、世界全体もそういう方向に向かうべきだと思います。

【渡部】ステークホルダー(利害関係者)を重視するという考え方ですね。

【エミン】株主や経営者だけでなく、従業員や顧客、取引先、地域住民など、その組織の活動に関わるすべての人々の利益を考えようということです。

【渡部】このステークホルダー重視という考えを渋沢栄一は先取りしていたとも言えます。

【エミン】今回のコロナ禍で、さらにこの考えは加速するはずですし、渋沢栄一を生んだ日本だからこそ、率先して世界をリードできると思います。

【渡部】2021年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』は渋沢栄一が主人公です。このドラマにより、彼の考え方はさらに日本に広まるでしょう。

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