松下幸之助が創刊した雑誌が、いま、職場で読まれている理由

『PHP』は、心あたたまるエピソードや感動エッセイが詰まった雑誌。社員の人格形成や職場活性化にも役立つと、現在、全国1,000社以上の職場で愛読されています。
2020年11月18日 公開
自由主義・民主主義・国際主義による政治体制の変革を自国の使命と考える「ウィルソン主義」の提唱者ウッドロー・ウィルソン。平和の伝道師のごとく語られる第28代アメリカ大統領の正体は、しかし「大悪魔」だった。自らを神と一体化させ、全世界に不幸を招来した男の罪を明らかにする。
※本稿は、倉山満著『ウッドロー・ウィルソン 全世界を不幸にした大悪魔』(PHP新書)を一部抜粋・編集したものです。
まじめに研究するまで私は、ウッドロー・ウィルソンは「偉人」「聖人君子」「果たせなかったけど、世界に平和をもたらそうとした立派な人」と思っていました。とんでもない。極悪人です。あるいは大悪魔か。それも史上最大級の。
ウィルソンがやったことを軽く並べてみましょう。
・大英帝国に喧嘩を売る。
→最終的に大英帝国の世界支配は崩壊。世界中の秩序が大混乱。
・ついでにフランスに喧嘩を売る。
→イギリスと同じく世界中に植民地を持っていたので、秩序が大混乱。
・さらについでに日本に喧嘩を売る。
→アジア太平洋を共産主義者に売り飛ばす結果に。
・ドイツ帝国を破壊。
→戦間期大混乱の直接原因。結果、ヒトラーが登場。ヒトラーはウィルソン主義の特に民族自決を忠実に実行。その惨禍は説明不要。
・ハプスブルク帝国を八つ裂きに。
→バルカン紛争が激化。東欧北部にも飛び火。
・オスマン・トルコ帝国を抹殺。
→バルカン、中東・北アフリカ、カスピ海の紛争を誰も止められなくなる。
・レーニンを生かす。
→スターリンや毛沢東の他、世界中に共産主義が撒き散らされる。
日本でも同時代に現在進行形でウィルソンの演説や論文が翻訳されていて、現在は国会図書館のデジタルアーカイブで読むことができます。翻訳者が必ず付言しているのが、「ウィルソンは偉大な思想を世界に提示した」ということです。
あまりにも第一次世界大戦が悲惨で、レーニンが登場し、ウィルソンが出てきて、良いことを言っているし、せめてこの戦争を止められるならと受け止める人が大勢いたのです。
まだ世界は、レーニンやウィルソンの危険性に気付いていない段階で、「平和に関する布告」や「14カ条の平和原則」を論評しているのです。たとえば日本のウィルソニアンの代表とされる吉野作造もそうです。
吉野に限らず、みんなの本音は、「なんでもいいから大戦を終わらせてくれ」なのです。
ところで、14カ条には最も大事な国が、入っていません。
それは“ドイツ“です。
1918年9月29日、ついに独裁的に戦争指導をしていたルーデンドルフ参謀次長が音を上げ始めました。ドイツは3月からの大攻勢で1か月半近く持ち堪えますが、途中で力尽きます。
連合国の反攻作戦が8月から始まり、英仏軍が12万の兵を投入しました。連合国側の大攻勢に押されたドイツ軍は撤退を重ね、ルーデンドルフはドイツ政府に即時休戦の申し出を要請したのです。
最も好戦派のルーデンドルフが講和を言い出したので、ドイツ政府はすぐに動きます。10月3日には、ドイツ政府がウィルソンに休戦を訴え、2日後の10月5日にはウィルソンの14カ条とその他の講和4原則の18カ条をすべて丸吞みすると承認します。
そこでウィルソンは、侵略地からの撤兵が休戦の条件だとの覚書をドイツに送り、条件をつり上げます。
さらにウィルソンは、ドイツ政府の正統性を問うという挑発をします。皇帝ヴィルヘルム2世から、マックス・フォン・バーデン首相、参謀総長のヒンデンブルクや次長のルーデンドルフまで、全員の総意で「ウィルソン様の言うことを聞きます!」と言ってきたのです。
それなのに「今の政府がドイツを代表する資格を持っているか?」です。ドイツ政府は、「憲法と議会により権限を保証された政府だ」と回答します。
ドイツの回答に対し、ウィルソンは次の要求をします。「ドイツ皇帝は退位せよ」「君主制独裁政府なら和平交渉ではなく降伏を要求する」です。
「ドイツ国民には、民衆の意志で帝国の軍事当局の同意を命令する手段がないこと、帝国の政策をコントロールするためのプロイセン王の力が損なわれていないこと、そして、決定権を握っているのは、今までドイツの支配者であった人々のままであることは明らかである」
「アメリカ合衆国政府は、ドイツの真の支配者としての真の憲法上の地位を保証されているドイツ国民の真の代表者以外には対処できないことを、改めて指摘する」
「もし今、ドイツの軍事的支配者と君主制独裁者に対処しなければならないならば、あるいは、ドイツ帝国の国際的義務に関して、後に彼らに対処しなければならない可能性があるならば、和平交渉ではなく、降伏を要求しなければならないのである」(鹿島守之助『日本外交史12 パリ講和会議』鹿島平和研究所編、1971年)
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