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鬼滅の刃「炎」の作曲者・梶浦由記さんが痛感する「アニメの大切な役割」



2021年01月15日 公開

梶浦由記(作曲家・作詞家)

鬼滅の刃/作曲家・梶浦由記氏

興行収入歴代1位を記録している『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』。同作の主題歌であり、「第62回 日本レコード大賞」を受賞した「炎(ほむら)」の作詞・作曲・編曲を手掛けたのは梶浦由記氏だ。これまで「ソードアート・オンライン」や「Fate」シリーズなど話題のアニメ音楽を多数担当した経緯を持つ。

新型コロナ禍によりエンターテインメント業界が深刻な状況に置かれるなか、「鬼滅の刃」と音楽の力について語る。

聞き手:Voice編集部・中西史也

※本稿は『Voice』2021年2⽉号(PHP研究所)より⼀部抜粋・編集したものです。

 

実写とアニメにおける作曲の違い

鬼滅の刃/作曲家・梶浦由記氏

――『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の音楽を梶浦さんとともに担当した椎名豪さんは、梶浦さんの音楽を「まるでウィスキーのように澄んでいて深みがある」と表現しています。自身の曲の特徴をどう捉えていますか。

【梶浦】椎名さんからとても美しく形容していただいて恐れ多いです。とくに意識している点がない分、さまざまな国の音楽が混ざっているのが特徴かもしれません。

私は若いころにワールドミュージックが流行した世代で、音楽のジャンルを組み合わせることに抵抗がないんです。ジャズのうえにクラシックのコーラスを乗せたり、そのうえにエスニックコーラスを加えたりもします。その自由さがいまの私の音楽につながっているのだと思います。

――梶浦さんは「鬼滅の刃」「ソードアート・オンライン」「Fate」シリーズなど大人気アニメの音楽を担当する一方で、NHK「歴史秘話ヒストリア」のテーマソングや連続テレビ小説「花子とアン」の劇伴も手掛けました。アニメと実写で作曲はどう違うのでしょう。

【梶浦】実写は基本的に、音楽の質感や広さが画を裏切っても案外平気です。たとえば広大な草原の映像に、乾いたピアノの音を流してもそこまで気にならない。

私の感覚にすぎませんが、おそらく人間は実写で草原の画を観ると、その周りを無意識に想像すると思うんです。もしそこに女性が立っていれば、乾いた音が耳に入っても、それが女性の内面の音のように聴こえてくる。

ところが、アニメの宇宙のシーンで乾いた音を流すと、ミスマッチを感じます。たとえ美しいアニメの作画でも、画の奥行きまではなかなか想像するのは難しいのかもしれませんので、宇宙のシーンであれば、広さが伝わる壮大な音楽を流す必要があります。

アニメの場合、曲をつくる前に必ず世界観の分かる美術の画をもらうようにしています。

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