仕事や学校、日々の生活や人間関係――。私たちは毎日を生きることにせいいっぱいで、ときに自分を顧みることを忘れてしまいがちです。しかし、ほんの少しだけ自分をいたわる時間を作ってあげれば、日常の小さな幸せや隠れてしまっていた自分らしさに気づくことができるはず。
アーティストのジェジュンやBTSのメンバー・RMも読んだ『あなたを応援する誰か』は、懸命に生きるあなたへ休息とエールを与えてくれます。
※本稿はソン・ミファ著、桑畑優香訳『あなたを応援する誰か』(&books/辰巳出版)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
利己的でも大丈夫
悔いのない人生を過ごすためにはどうすればいいのだろう。
与えられた仕事をがんばる。
周りの人たちを理解して手を差し伸べる。
そうすれば、後悔しないだろうか?
一生懸命に生きるのは大事だし他人を理解し助けるのも立派だけど、どんなときにも大事なのは、知恵を身に着けること。
知恵を備えて、一生懸命がんばり、知恵を生かして、誰かに手を差し伸べる。
ひたすらがんばるだけなら体と心を壊してしまうし、深く理解せずに手を差し伸べたら、気持ちを保つのは難しくなる。
与えられた仕事と他の人に集中させていた気持ちを少しだけ自分に向けてみるのはどうだろう?
自分を愛せず、自分をいたわれない人が、心から他人を愛し、いたわることができるだろうか?
自らに確信を持てず、自らに不満を持つ人が、他人の成功に心から拍手を送るのは簡単ではないはず。
自分の人生を顧みて、「よくがんばった」と思うときがある。
世の中は厳しいけれど、嫌な顔をせず、弱気にならないようにせいいっぱい生きている。
自分をいたわり、愛し、大切にしながら生きても大丈夫。
もう少しわがままになっていい。
自分が元気で、自分がうれしくて、自分が励まされ、自分が凛としてこそ、周りに目を向けることができるのだから。
人と人との「安全な距離」
自動車には安全な車間距離というものがあって、ある程度の距離をとることが必要だという。
前の車が急停車したり、雨に濡れた道でスリップしたりすると追突して大きな事故を起こしてしまうから。
自動車だけでなく、人と人との関係も大切なのは安全な距離を保つこと。
友だちだから、家族だから、あるいは恋人だからと、なんでも一緒にやろうと誘ったり、わかってもらえるのがあたりまえだと思ったり。
すると、そんな関係が重く感じる瞬間が訪れる。
おたがいを気づかい、距離を保ちスピードを合わせていけば、誤解やエゴのぶつかり合いで生じる事故をきっと防げるはず。
交通事故とは違って心の追突事故は、保険では解決できないからいつも「安全な距離」を保つのが大切!