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「お酒しか救いがない...」アルコールに依存しがちな人が一見穏やかに見える理由

中島美鈴(臨床心理士/公認心理師/心理学博士)

2023年06月23日 公開

 

アルコール依存から抜け出すための代替行動

それでは、一体飲み過ぎから脱出するにはどうしたらいいのでしょう。代わりに何をしたらいいというのでしょうか。

先ほどご紹介したよくある「お酒がやめられない4つの理由」別にご紹介しましょう。

「1. 脱力できる」への対処法

この機能の置き換えは簡単です。入浴でも、ストレッチでもマッサージでも体の緊張を解きほぐすものは多くありますので晩酌の代わりに取り入れてみましょう。

ただし、めんどくさいかもしれません。お酒ほど手っ取り早く効果を得られないのです。こうした場合には、「私は本当にお酒を減らしたいんだっけ? なんで減らしたいんだっけ?」とお酒を減らしたい理由を思い出してみましょう。

「2. 人とうまくしゃべれる」への対処法

お酒が入ったときの軽やかなしゃべりっぷりの自分を覚えておきましょう。いつもの自分と何が違うのでしょう。

話題が自然に出てくる感じでしょうか? では、いつもなら話題が思い浮かばないのはなぜでしょうか?

気を使い過ぎているからかもしれませんし、自然な感情が働いていないのでひらめくことができないのかもしれません。

対人緊張が強くて、相手の表情や気持ちに集中できていないのかもしれません。お酒が入ったときの自分をイメージして、しらふでのコミュニケーションに取り入れてみましょう。

最初はぎこちなくても、徐々にしらふで打ち解けられるようになってきます。大事なのはお酒があるかどうかではなく、コミュニケーション能力なのです。

「3. 嫌なことを忘れられる」への対処法

短期的には効果的な「嫌なことを忘れられる」というメリットも、翌日には魔法が解けてしまいます。もちろん、一時的な逃避で翌日からその問題を解決するためのエネルギーを蓄えることも必要かもしれません。

ただ、大事なのは「いつまでも逃避を続けるわけにはいかない」ということです。たいていの問題は、逃げれば逃げるほど、解決の時期が遅れてやっかいなことになります。

そんな問題の蓄積を感じると自分のことが嫌になるでしょうし、不安な気持ちは高まるばかりです。怖くても、問題と向き合うことが何よりの代替行動です。

「4. 食事が進む」への対処法

グルメな人に多いこの理由は、とことん食への興味を突き詰めることで、「飲み過ぎは味を損なう」ことに気づくことができるでしょう。

高級店で食事をしてみるのはひとつの手です。高い料理が出てくれば、私たちはゆっくり味わって食べようとします。食事の説明に耳を澄まして、会話しながら食事します。本当に美味しいものを味わうひとときは、適量のお酒を飲みながらの、心地良いゆっくりとした食事から生まれるからです。

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いかがでしたか? まずは次にお酒を飲んでいるときに、どの理由に当てはまりそうかな?という分析からスタートするとうまくいきますよ。

 

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