「仕事がつまらない」と嘆く20代が理解できていないこと
2024年01月18日 公開
就職活動に失敗して本意ではない会社に入社してしまった...。希望通りの会社に入ったはいいものの、単純な雑務ばかりで不満...。
そんな悩みを抱く20代は、どのようにキャリア形成をしていくべきなのか? かつて同じ悩みを抱えていたという、作家のジョン・キム氏が語る。
※本稿は、ジョン・キム著『媚びない人生』(PHP文庫)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
社会を知らずに仕事を選んでいることに気づけ
社会人をスタートさせるときには、いろんな思いがあるはずだ。就職活動に成功して第一志望の会社に入ることができた人。一方で、こんなはずではなかった、という思いを抱いて会社に入っていく人。それは、ひとつの現実だと思う。
しかし、認識しておかなければいけないことがある。それは、学生の就職活動は、社会を知らないままに行われているということだ。社会に出たことがないのに、業界や企業を選ばなければならなかった。残念ながら、社会についてはわかっていないのだ。それは認めなければいけない。
そしてもうひとつは、自分自身について、まだわかっていないということである。就職活動で、自己分析はしたかもしれない。しかし、社会に出て、実際に働いた経験はない。ある仕事をしたときに、本当の自分がどんな反応をするのか、実はまったくわかっていなかったのだ。想像をはるかに超えた状況だって起こりうるわけである。
この2つの前提をしっかり受け止められれば、学生時代の就職活動は、本当の意味では就職活動ではなかったことに気づけるはずである。社会も、そして自分もよくわからないままに選んだのが、今の会社であり、今の仕事なのだ。
だからこそ、本当の就職活動を、社会に出てから5年後にすべきであると私は考えている。社会を知り、自分を知ってから、本当の就職先を見つけるのだ。そうすることで、より自分の適性に合う仕事に出合うことができる。
本当の就職活動とは、就職してから5年目にあると考えたほうがいいのである。
そうであるならば、とても大事なことは、本当に働きたいところ、本当に就きたい仕事に就けるような力量を5年後までに身につけていくことだ。実のところ就職活動では、この力量がつけられる会社にこそ、入るべきだと私は考えている。もし、これから就職活動を迎える人は、意識しておくといい。
5年後、世の中がわかり、自分が見えてきたときに、どこにでも行ける。そして、そんな自分を確立させるために、最も有効に過ごせるような会社を選ぶ。
そしてひとつ言えることは、就職活動で不本意な結果が出てしまったとしても、悔やんだりする必要はまったくないということである。5年後に訪れる本番に向け、割り切って準備を進めていければよいのだ。
今度は本当に社会を知り、自分を知ってから、就職活動ができるのだ。その5年後の就職活動こそが、本当の勝負なのである。
そして今、条件がいい会社にいることが、すなわち自分に合った会社であるというわけではないということにも気づいておく必要がある。そこでどこまで自分にシビアに向き合えるか。それがこれからの職業人生を決めていく。
人生は、生きている限り続くのだから、焦らず自分を信じて突き進んでいけばよいのだ。