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もし自分が認知症になったら? 「エンディングノート」の基本の書き方

汲田健(行政書士),酒井富士子(経済ジャーナリスト)

2024年02月09日 公開 2024年02月09日 更新

もしもに備える、エンディングノートの使い方をご紹介します。ご自身に「もしも」のことがあったときに、残された人がさまざまな手続きで困らないように、大切な情報を書き残すためのエンディングノート。若い世代は備忘録として、また親と一緒に情報を整理するためにも活用してみましょう。

※本稿は、汲田健/酒井富士子(監修)『終活支援のプロとお金のプロが考えた 生前整理に役立つノート』(ワン・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。

 

情報を整理しておかないとどうなる?

エンディングノートは、自分の情報と意志や希望を「整理する」ツールです。情報を記録しておけば、緊急時も残された家族の負担が軽くなります。自分のためだけでなく、残された人のためにもノートをつくっておきましょう。

・母が事故に遭い、意思疎通が困難に。治療の際に持病・服用中の薬について聞かれたがわからない...
・夫の死亡をきっかけに前妻との間に子どもがいることが発覚。遺言書もないけれど、相続はどうなるの?
・おひとりさまの姉が認知症に。預金や加入している保険のこと、財産状況など何も知らないので、手続きが大変!

【POINT】
残される家族の負担と軽減するためにも、ノートに情報を書き留めましょう。

 

やるべきことの流れ

ノートに必要な情報を書き、人目につかない場所に保管、信頼できる人にその存在を知らせるところまでセットで行いましょう。ただし、エンディングノートに法的な効力はありません。相続などで法的な手続きが必要な場合は、専門家に相談するようにしましょう。

Step① ノートを書いて人目につかない場所に保管
人生を振り返りながら記入することで、情報や思い出が整理され、これからの人生を楽しむ準備にもなります。完璧に書こうとせず、分かる情報から書いていきましょう。ノートは適切な場所へ保管します。

Step② ノートを書いたことを家族や信頼できる人に伝える
ノートを書いても存在が知られなければ、もしものときに残された人が困ってしまうことに変わりありません。「書いて終わり」ではなく、信頼できる人にノートの存在を伝えることも重要です。

【POINT】
ノートに書いた内容を実行してもらうためにも、「書いて伝える」までをセットにしましょう。

 

ノートの書き方のポイント

緊急時の医療、介護、財産管理や相続などの場面で役立つエンディングノート。現状や希望は時間の経過とともに変わっていきますので、定期的にノートを開いてアップデートするようにしましょう。

・書いやすいページからスタート!
「1ページ目から順番に書いていく」といった細かなルールはありません。分かるところから書き、調べが必要なものなど「書くのが難しい」と感じるところは、気軽に飛ばして前に進めましょう。

・書き直しOK! 書いた日付も記入
エンディングノートは、一度書いたら終わりというものではありません。時が経てば状況や考え方が変わることもあります。書き終えた後も定期的に見直し、必要に応じて書き換えていきましょう。

・暗証番号・パスワードの取り扱いに注意
銀行の暗証番号、WEB用のパスワードなどは悪用が心配で記入するのに抵抗を感じるかもしれません。暗証番号やパスワードをカードに記入したら、スクラッチシールなどで保護して、ノートとは別の場所に保管しておきましょう。

・どうしても書き進められないときは裏技も使う
どうしても筆が進まないときは、「本籍地」「基礎年金番号」「メインバンク」などの重要項目だけでも書き出しておきましょう。該当する書類などをコピーしてノートに貼ったり挟んでおいたりするだけでも十分です。

【POINT】
「本籍地」「基礎年金番号」「メインバンク」などの重要項目だけでも書いておくと家族が助かります。

エンディングノートというと、「終活に向けた準備」とイメージする人も多いかもしれませんが、現在の自分を整理して"ととのえる"ツールでもあります。ノートを書くことで、今後やりたいことなど、これからの人生をよりよくするヒントにもなります。さらには、どう締めくくるかということにも向き合うきっかけになるはずです。

これからの人生を楽しむ準備に役立てるためにも、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

 

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