ここ最近、「体幹」という言葉をよく耳にし、気になっている方も多いのではないでしょうか。体感を強化することによって、肩こり、腰痛、頭痛を引き起こすことを防ぐことにつながる。
本稿では、サッカー日本代表・長友選手のトレーナーだった木場克己氏に、すぐに始められる体幹トレーニングを紹介してもらう。
※本稿は、木場克己 著『「体幹」を鍛えるとなぜいいのか?』(PHP文庫)より一部抜粋編集したものです。
頭、手足を除いた胴体部分を体幹と呼ぶ
そもそも体幹とは、具体的に体のどの部分を指すのかご存知ですか?
体幹とは、頭と手足を除いた胴体の部分を意味し、胸部、腹部、腰部、背部の4つで構成されています。そして、これらに関係する筋肉を強化することを一般的に、体幹トレーニングと呼んでいます。
体幹は、動いているときの動作だけでなく、「立つ」「座る」「歩く」といった人間が姿勢を維持するうえで重要な働きを担っています。樹齢何百年というような幹の太い樹木を想像してみてください。
太くて立派な幹は、年輪をみるとわかるように中心部から外部に向かって、何層もきれいにバランスよく厚く重なっています。そして、その中心部がしっかりしていると、樹木はまっすぐに美しくそびえたつことができるのです。
そして、人間でいうところの中心部、つまり幹は、主に背骨から腰にあたる脊柱です。その太い骨の周りにある体幹部の筋肉をしっかりと鍛えて固めることで、これらの骨が安定し、正しい姿勢を維持できます。
体幹部の骨組みの中心は、緩いS字カーブを描く脊柱です。上から見ていくと、頭蓋骨を支える首の骨である頚椎、その下に12個の骨からなる胸椎、そして腰の骨にあたる腰椎で形成されており、体幹部の安定に重要な役割を果たす骨盤へとつながっています。
体幹トレーニングによって、脊柱を正しいS字カーブに維持しなければなりません。
しかし、何らかの要因でこの脊柱が必要以上にゆがんでしまうと、その結果、肩こり、腰痛、猫背、頭痛といったさまざまな体の不調、さらにはケガにつながります。
ですから、体幹強化による正しい姿勢の保持こそ、体幹トレーニングの基本といえるでしょう。