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“KOBA式”体幹トレーニング…まず覚えるべき「ドローイン」

木場克己(プロトレーナー)

2015年05月16日 公開 2023年01月05日 更新

まずは体幹トレーニングの基礎「ドローイン」を覚えよう

まず体幹トレーニングの基本として覚えなければならないのが、ドローインです。このドローインは、すべての体幹トレーニングを行う際に必要となってくるメニューで、もっとも効率的に体幹部を強化できるトレーニングです。方法はいたってシンプル。時間や場所を選ばずに行えるので、ぜひ実践してみてください。

ドローインは空気をゆっくり吸い込んでおなかを膨らませ、ゆっくり息を吐きながら、徐々におなかをへこませる行為 を指します。単純な動きの繰り返しですが、この状態を保ちながら日常生活を送るだけでも、立派な体幹トレーニングとなります。その効果を紹介しましょう。

ひとつ目は、体幹の強化に欠かせないインナーマッスルに刺激を与えられる点です。ドローインによって、腹横筋や腹斜筋、横隔膜、骨盤底筋群といったインナーマッスルに刺激が入り、体の内側からおなかをしぼることで、おなかの内部にかかる圧力の腹圧が高まります。

そのため、体幹部の強化にうってつけです。結果的に、表面の大きな筋肉であるアウターマッスルとの連動性を高め、体幹トレーニングとしても効果が増します。

2つ目は、内臓の働きを活性化させる点です。下半身への血のめぐりがよくなり、腹圧も高まって、腸を中心に内臓の働きが活発になります。

実際にドローインによって、内臓の働きがよくなると、おならが出やすくなります。しかし、これは体幹がしっかりと鍛えられ、腸をはじめとする内臓が活性化されていることの何よりの証明です。

3つ目の効果としてあげられるのが、エネルギー代謝量の向上による脂肪の燃焼です。ドローインによって刺激を受ける筋肉は、普段の日常生活ではなかなか意識的に使われることのないインナーマッスル。

ここに刺激が入ると、動かせる筋肉が増えます。その分だけ、基礎代謝も上がりますから、脂肪がより燃えやすくなるのです。

また、腹圧の高まりによって、脊椎のS字ラインがきれいに整います。その結果、姿勢の改善につながります。腹圧の弱さによって、ポッコリと出ていた下っ腹も徐々に引き締まり、健康で理想的な体に近づきます。

このように、ダイエットやきれいなボディラインを手に入れる目的においても、ドローインは大きな効果を発揮します。

では、実際のドローインの方法を説明していきましょう。やり方は、簡単です。

まずは背すじを伸ばした直立の状態で、肩甲骨を引き寄せるようにして胸を張り、鼻から息を吸い込みながら、おなかを膨らませます。このとき、3~5秒をかけて、できるだけ、ゆっくり空気を吸い込むようにしてください。

続いて、体内に取り込んだ空気を口から吐きながら、おなかをへこませていきます。また息を吐くと同時に、おなかの筋肉をグッと縮めてください。息を吐く際も、吸うときと同じように3~5秒をかけて、ゆっくりと吐き出しましょう。

ドローインの大事なポイントは、息を吐く際に、おなかと背中がくっつくくらいに、おなかをへこませる点です。このとき、おへそ周りの筋肉を縮めるイメージを持てば、よりしっかりと体幹部に刺激を与えられます。

直立の姿勢だけでなく、仰向けに寝て、両ビザを立てた状態で行う方法も有効です。この場合は息を吐く際に、おへそ周りの筋肉を縮めながら、骨盤を床に押し当てましょう。より体幹部の筋肉を固めることができます。

このように、ドローインは簡単に行えます。しかし自宅だけに限らず、たとえば、デスクワークでイスに座っているときに取り入れるだけでも、効果はあります。

その際、特に姿勢が大事です。次の図をご覧ください。イスに寄りかかるように腰掛けていると骨盤が傾いて脊柱もゆがんでしまうため、効果がありません。耳と骨盤とくるぶしが一直線になるように、正しい姿勢を常に意識してドローインを行いましょう。

 

【PROFILE】木場克己 日本体育協会公認アスレティツクトレーナー

有限会社コバメディカルジャパン代表取締役、株式会社アスリートウェーブ代表、長友佑都選手パーソナルトレーナー、TTC(トータルセラピストコミュニティ)代表理事、柔道整復師、鍼灸師、健康運動指導士。
1965年、鹿児島県出身。1995年から2002年までFC東京のヘッドトレーナーを務めるかたわら、都内6店舗にて「気軽にいける治療院」をコンセプトに、子どものケガから年配の方の介護的治療とリハビリ、スポーツ愛好家からトップアスリートの治療及びコンディショニングトレーニングの指導を行う。これまで診察したトップアスリートは多岐にわたり、現在は長友佑都選手(インテル)や土肥洋一選手(東京ヴェルディ)、福西崇史氏などをはじめ、著名人の個人トレーナーとしても活躍中。2011年より、サンフレッチェ広島FCユースのコンディショニングアドバイザーを務める。
主な著書に『プロトレーナー木場克己の体幹バランスメソッド』『プロトレーナー木場克己の体幹パフォーマンスアップメソッド』(以上、カンゼン)『体幹力を上げるコアトレーニング』(成美堂出版)などがある。

 

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