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原因は年齢だけじゃない? 「疲れ知らずの体を作る」簡単エクササイズ3選

坂村純子(パーソナルトレーナー)

2024年07月08日 公開 2024年12月16日 更新

年をとってから疲れやすくなった...。そう感じていませんか? 多くの人が「年齢のせいだから仕方ない」と諦めてしまいがちな体の疲労。ですが、疲労の原因は年齢だけとは言えません。本稿では、パーソナルトレーナーの坂村純子さんが「年齢に関係なく疲れにくい体」を作るためのヒントを教えます。

※本稿は坂村純子著『オトナ女子の「やっかいな疲れ」がとれる大全』(大和出版)より一部抜粋・編集したものです。

 

疲れやすくなっているのは、年齢だけのせいではなかった

若い頃と比べると疲れやすくなった。もしくは、寝ても疲れがとれない。こう感じていたとしても、「年齢を重ねれば仕方がないこと」と、あきらめてはいませんか? でもそれは、本当に年齢のせいなのでしょうか。そもそも「疲れる」とはどういうことなのでしょうか?

「疲れ」には肉体疲労や精神疲労、神経疲労があります。肉体的疲労は年齢を重ねることで起こりやすくなります。それはどうしても筋肉量が減少してくるからです。

筋肉量が減ってくると、それに伴って筋力も低下する。そのうえで、歩いたり動いたりで体のバランスを保つだけでも、多くのエネルギーが必要になるため疲れやすくなるのです。また、女性であれば、40代以降は女性ホルモンの減少や乱れの影響も、肉体的疲労の原因として考えられます。

でも最近では、長時間のデスクワークによる、目の眼精疲労や、光の刺激によるストレスからの精神的、神経的な疲労が危惧されています。パソコン画面やスマホなど近距離を見続けると、自律神経のバランスが崩れやすくなり、交感神経が活発に働きやすくなります。

交感神経が活発になるということは、体が緊張状態になるということ。そうなると、呼吸は浅く短くなり筋肉も収縮します。まさに「常に戦闘モード」です。これでは疲れないはずがないですよね......。脳からは、体の減退状態のピークに達したときに、「疲れた」というシグナルが体に送られるのですね。

肉体的な疲労は筋力の衰えからもくるので、年齢によるものが大きいですが、精神・神経的な疲労は年齢に関係なく起こります。だとしたら、自然光以外の光を浴び続けることになる現代を健康で生きていくためにも、疲れを年齢の言い訳にせず、疲れにくくなる体になるための努力が必要になってきます。

 

「疲れ」「腰痛」知らずになるには?

●椎骨は体の動きやバランスを支える重要な骨格
●背骨は歩くときの衝撃を吸収する役割を持っている
●背骨が固いと自律神経が乱れ呼吸も浅くなりがちに

ご存知の通り、人間は脊椎動物です。背骨は一本の硬い骨ではなく、椎骨という小さい骨が集まって構成され、椎骨一つひとつの動きが連動してさまざまな動きができるようになり、体の動きやバランスを支える大切な骨格です。

ところでそもそも背骨の役割とは何でしょう?

それは、体を支える・体を動かす・神経の保護、この3つが背骨の大切な役割です。背骨は前から見ると真っすぐに見えますが、横から見るとゆるやかにカーブしてますよね。このカーブが、実はとても大切で、立っているときや座っているときに、上体の重さを支えたり、前後左右に上体を曲げたり伸ばしたりといった動作を可能にしています。それから、歩くときに生じる上下運動の衝撃を吸収し、脳にその衝撃を与えないようにする働きも持っています。

つまり、3つの背骨の役割以外にもう一つ、「体への衝撃を吸収する」という働きがあります。でもこの働きは、背骨の柔軟性がないとうまく機能しません。また、背骨が硬いと自律神経が乱れて呼吸も浅くなってしまいます。

呼吸が浅くなると、交感神経が優位になって体が緊張状態になるため、疲れやすくなり腰にも負担がかかりやすくなります。背中や腰は脳にとっては最も認識しづらい場所であるだけに、脳内のボディマップ(身体地図)が不鮮明になって硬くなりがちです。足りていない刺激を補う意味で、背中を柔らかくしていくことが、最も簡単で効果的。それには体をひねることが有効です。

そこでこういった柔軟性を定着させるためにも、背骨の動きをよくするための運動をこれからご紹介していきましょう。

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ひねり運動(仰向けから脚だけを使ってひねる)

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