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まぶたがピクピク、仕事の夢を見る...「職場の同僚のストレス」で出る症状のチェックリスト

佐藤恵美(メンタルサポート&コンサル沖縄代表)

2024年07月25日 公開 2024年12月16日 更新

どんどん余裕がなくなっていく職場で、同僚をフォローすることに疲れていませんか? 労働者メンタルヘルスの専門家である佐藤恵美さんが、これまで20年間で1万人以上の働く人の相談に乗ってきた経験から語る、つい仕事を抱えこんでしまう人のしんどさを軽くするヒントとは? 書籍『職場の同僚のフォローに疲れたら読む本』から紹介します。(イラスト:坂本伊久子)

※本稿は、佐藤恵美著『職場の同僚のフォローに疲れたら読む本』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。

 

もう勘弁してよ! うんざりする職場の特徴

職場のこんな状況に、うんざりしていませんか?

・人はどんどん減っていくのに、やることは次々と増えていく職場に
・これってなんの意味があるの? そう感じてしまう不毛な作業に
・なかなか仕事を覚えられない、あの不器用な若手の指導に
・朝、急に休む連絡をしてきた、あの子育て中の同僚の業務のフォローに
・いつも言い訳ばかりで考えを変えようとしない、あの先輩とのやりとりに
・「あとはよろしく頼む」のひと言で仕事を丸投げしてくる、あの上司のお膳立てに

 

【チェック】「気疲れ」したときの典型的な症状

昨今、どこの職場でも余裕のなさをひしひしと感じますが、なんとなく釈然としない「名もなきフォロー」に追われて、つい仕事を抱えこんでしまって疲弊していませんか?

試しに、次のテストで自分にあてはまるものがないかチェックしてみてください。

★直近2週間で、あなたにあてはまるものはありますか?

※「簡易抑うつ症状尺度(QIDS -J)」「東邦大学方式(SRQ-D)」などを参考に筆者が作成したチェックリストで、疾患を判別するものではありません

■頭が重い、頭痛がする
■めまいがする
■腰や背中が痛い
■手足が冷える
■まぶたがピクピクする
■人や物の名前がなかなか出てこない
■ランチのメニューを見て、食べたいものが決められない
■家具に足の小指をぶつけた
■数カ月後の予定など、先のことが考えられない
■声をかけられても気づかないことがあった
■今日の曜日を間違えていたことがあった
■仕事の夢ばかりを見る

これらは疲れているとき、特に「気疲れ」したときにあらわれる典型的な症状です。

どれか1つでもあてはまるものがあれば、あなたは職場でのフォローや人間関係でかなり疲れていると考えていいでしょう。実際、職場で人のフォローに振りまわされているときに感じる疲れというのは、体の疲れというよりも、相手のことを考えたり、気にかけたり、イライラしたりといった気疲れがほとんどではないでしょうか。

そんな状況では、職場や同僚に対して、ますますネガティブな感情がわいてきて、「なんで自分がやらなきゃいけないの!?」「自分ばかりやらされている気がする!」「ほかの人は、なんで気づいてやらないの!?」といった悪循環におちいってしまうのです。

 

つぶれずに生き抜くために大切な2つのこと

ただ、今の自分の疲れを知ったとしても、「結局、自分には、どうすることもできない」と思った人もいるかもしれません。たしかに、一朝一夕には変えられないこともありますが、厳しい職場環境のなかでも今日からできることはあります。

そのポイントは、職場における仕事のやり方や仕組みなど自分の「外側」に働きかけるのではなく、まずは自分の「内側」に目を向けることです。

自分の「内側」に目を向けるというのは、具体的には次の2つです。

①自分を客観視できるようになる
②自分の心や行動に関する技術を知って使う

この2つのことができるようになると、職場の同僚のフォローに疲れきってしまうような状況をかなり避けることができます。そして、日常生活のなかで、この2つのことを繰り返し実践していくと、たとえ厳しい場面に直面しても、しなやかに対応できる自分を育てることにつながります。

社会や職場に変革をもたらしたり、フォローが必要な同僚の仕事のやり方を劇的に変えたりするのはなかなか難しいけれど、まずは今の自分のしんどさを少しでも軽くする方法を身につける――そういうスタンスです。

余裕のない職場は、これからも続いていくことが予測されます。だれかをフォローしなければならない状況があったとしてもつぶれずに生き抜くための技術が必要なのです。

 

著者紹介

佐藤恵美(さとう・えみ)

メンタルサポート&コンサル沖縄代表

精神保健福祉士、公認心理師、キャリアコンサルタント、臨床発達心理士。20年間で1 万人以上の相談実績がある、労働者メンタルヘルスの専門家。北里大学大学院医療系研究科産業精神保健学修了。医科学修士。日本産業精神保健学会理事。埼玉県内の精神科単科病院医療相談室、東京都内の医療法人社団弘冨会神田東クリニック副院長、同法人MPS センター副センター長を経て、2020年に「メンタルサポート&コンサル沖縄」を設立。現在、沖縄在住。県内外の企業や官公庁に対して、さまざまなメンタルヘルスサービスを提供し、年間500人以上にカウンセリングを行なっている。

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