生き方のクセを変えてみる
2011年02月17日 公開 2022年06月09日 更新
環境の変化、習慣の違いなど、ありとあらゆる場所に生きにくさは存在する。傍から見たらプラスな出来事でも、本人にとっては"マイナスの要素"も含んでいることがある。
米国出身の教授が日本でつかんだ、日々の人生を楽しむコツとは。
※月刊誌『PHP』2010年9月号 特集「それでも、人生は楽しめる」 より、内容を一部抜粋・編集したものです。
変化に直面したときに“新しい自分をつくる”
20歳で来日し、今年で京都在住41年目を迎えます。「外国人」として見られることに疎外感をもったこともありますが、悩んだことはありません。日本語を話し、日本の社会で求められるコミュニケーションができるようになる、つまり「新しい自分」をつくればいいからです。
本当に大変なのは、つらいと感じる原因がどこにあるかがわからない人だと思います。たとえば、大切な人が亡くなる、リストラに遭う、といったことは誰もがマイナスの出来事として認識します。
けれど逆に結婚や出産、昇進など祝福されるプラスの出来事にも実はマイナスの要素がひそんでいるのです。結婚すれば気楽に友だちの誘いにも応じられなくなるし、子どもが生まれればお風呂に入れるのもこわごわで、心配事も増えます。昇進すれば責任が大きくなり、部下の面倒も見なければなりません。
一見、正反対のように見えるプラスとマイナスの出来事ですが、そこには共通していることがあります。それは大きな変化に直面した時、「新しい自分をつくる」作業をしなければならないということ。
これはなかなか大変です。なぜなら人間は誰でも「生き方のクセ」をもっているからです。個人的な経験に基づいて生き方がひとつのレールになっていて、多くの人はレールの先が見えなくてつらい時でも、そのまま進もうとします。
そんな人に、僕は「レールをちょっと変えてみてはどうですか」と提案したいのです。