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生き方

生き方のクセを変えてみる

ジェフ・バーグランド(京都外国語大学教授)

2011年02月17日 公開 2022年06月09日 更新

 

「どうにかなるさ」と思うには

生き方のレールを変えるには2つのステップが必要です。まずは自分を見つめ直し、自分の生き方のクセを自覚します。僕が教えている学生には、「ストーリーテリング」をやってもらいます。

友だちや家族に、自分の人生のストーリーをインタビューしてもらうのです。聞き手がいない、あるいは秘密にしたい思い出がある人はボイスレコーダーを用意して、独りで語ってみてください。

物心がつき始めた3、4歳の頃からの印象深い思い出を語っていくと、自分がいかに多くの人と関わってきたかということに気づきます。

家族だけでなく、近所の人、学校の先生や同級生、行きつけのお店やお医者さんなど、数え切れない人たちとつながりながら生きてきた自分を発見するはずです。人とのつながりを強く感じられれば、どんなに環境が変わっても「どうにかなるさ」という気分になるものです。

自分の内面を再確認したら、今度は外に目を向けて、さまざまな人を観察してみてください。

たとえば私は京都・鴨川の河原で、対岸のホームレスの人たちの様子を観察することがあります。孤独なイメージがありがちですが、けっこう友だちがいたり、ビールを呑みながら話したり、一緒に唄ったり。やはり誰かとつながっているのがわかります。

他の人の生き方を観察、想像するとたくさんの発見があり、自分の生き方のヒントになります。

マイナスの出来事が続けば、怒りや恨みをもったり、自信をなくしたりします。成功した人を見ればうらやましくもなるでしょう。けれど人生で何かを選択した時、一方に選ばなかったものがあったことを思い出してみてください。

僕が好きな歌に『Unanswered Prayers』という曲があります。「妻と一緒に子どもが出ているバスケットボールの試合を観に行ったら、高校時代のガールフレンドにバッタリと出会った。彼女と共に生きたいと神様に願った日もあった。その願いは叶わなかったけれど、だからこそ今の幸せがある」という歌詞にとても共感します。

世の中には理不尽なことがたくさんあります。相手のほうに非があることもあるでしょう。ただ、そのことにこだわり続けることが自分の幸せにつながるかどうか。

怒りや恨みのエネルギーはあまりいいものではありません。マイナスの感情を中心に抱きかかえて生きるより、生き方のクセを少し変えて、自分自身を中心に据えて生きるほうが最終的にはプラスになるはずです。

 

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