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生き方

40歳以降の人生を退屈に感じたら...? この先の生き方に悩む人のための一冊

大賀康史(フライヤーCEO)

2026年07月08日 公開

ビジネス書を中心に1冊10分で読める本の要約をお届けしているサービス「flier(フライヤー)」(https://www.flierinc.com/)。こちらで紹介している本の中から、特にワンランク上のビジネスパーソンを目指す方に読んでほしい一冊を、CEOの大賀康史がチョイスします。

今回、紹介するのは『人生にコンセプトを』(澤田 智洋著、筑摩書房)。この本がビジネスパーソンにとってどう重要なのか。何を学ぶべきなのか。詳細に解説する。

 

これからの生き方に悩む人へ

毎日ニュースやSNSのポストを眺めていて、仕事をしていて、言葉にならないようなモヤモヤを抱えることは誰でもあるように思います。それが自分の大切にしている価値観に合わないものとわかるときもありますが、なぜ心がざわざわするのか、場合によっては自分がどのような感情になっているかもわからないときもあるかもしれません。

私の場合、社会での分断が進む度に自分はどちら側の意見を持っているのかを考えてしまうのですが、どうもどちらにもぴったりとは合わず、自分の考えに合う言葉や考え方が表現できたら良いのにと感じています。

そのような過ごしにくく感じる世界を生きていくために、自分らしい何らかの指針があればどれほどに生きやすいでしょうか。そのような自分の世界に一つの方向性を示してくれるのが本書で語られているコンセプトです。

人生の道を示すコンセプトはどのようなものなのか、本書の内容を触れていきましょう。

 

夢とコンセプト

子供の時に夢を聞かれたとき、自分の場合は野球の選手と答えておくとなんとなくその場が収まるのでそう言うようにしていたことが思い出されます。そして大人になった今、あなたの夢はなんですか、と聞かれて答えられる人はどれほどいるでしょうか。

自分に関しては会社を起業していて、比較的答えやすい環境にはあるとは思うものの、夢と言われると少しとまどいがあります。目標やビジョンだったらあるのですが、それが人生をかけたただ一つの夢なのかというと少し違うような感覚があります。

本書の著者も夢という言葉に対して一定の距離を置きながらも、もちろん夢があることは否定していません。夢は「目的地」を示す効用があり、そこに向けて一直線で進んでいくようなものです。それに対比する言葉はコンセプトです。コンセプトは「道」を示すものとされています。コンセプトがあれば、自分の人生を支え、前に進むことができるようになるとも表現されています。

 

いいコンセプトの4要素

優れたコンセプトとして本書で挙げられているのは、スターバックスコーヒーの「サードプレイス」、ユニクロの「LifeWear」、無印良品の「しるしのない良品」の3つです。どれも企業のあり方が示され、視界良好になるといいます。

ではそのような名コンセプトを構成する要素はどのようなものでしょうか。その4要素が本書で紹介されています。

ビジネスの世界では差別化という言葉があるように、ユニークなポジションであることや個性があることが重要と言われます。その「独自性」が第一の要素となります。次はみんなの判断基準になるような「方向性」が示されていることです。第3は過去・現在・未来が一本の線で結ばれ語りたくなるような「物語性」です。そして4つ目は、100年有効であり続けるような「普遍性」です。

4つの要素を踏まえて、改めて3つの名コンセプトを見るとそのいずれの要素も満たしていることがわかります。そのようなコンセプトは、判断に迷うときやメンバーの力を結集するときの進むべき道になることも理解できそうです。

 

コンセプトとはどのようなものか

会社と同じように自分の人生にもコンセプトがあれば、生きやすくなりそうだなというのは少しイメージが膨らんできたかもしれません。

本書では夢とコンセプトの違いについても詳しく書かれていますので紹介していきます。まず大きな違いのあるところはその数です。夢はただ一つであることが重要で、登るべき山を示すものです。人生のすべての努力を結集するために、複数あるよりは一つに絞っていることが望ましいと言えます。その一方で、コンセプトはいくつあっても良いものだそうです。山で例えるなら登り方を表していて、複数あった方がより便利なものです。ちなみに著者自身は100を超えるコンセプトを持っているそうです。

その他の違いとして、夢は高揚感をもたらすもので、コンセプトは人生の迷いを解決するものといいます。コンセプトは会社で表すとバリュー(行動指針)が該当します。例えば私が経営しているフライヤーでは6つのバリューがあります。その第一のものは「楽しむ」です。つまならそうに仕事をするよりも楽しんで仕事をした方がいい仕事ができるだけでなく、人の足を引っ張ったりせずに周りの人を自然とリスペクトできる、というような背景があります。

これも同じ仕事という行為をするにしても、その楽しさに気づき、実際に楽しんで取り組もうという行動に結びつける道になるものだと感じています。

 

不確実性とともに生きる

本書の最後の章に人生の不確実性について紹介されていて、その点が自分自身の考え方とぴったり合っていました。先に起こることが完全にわかっている人生だとしたら、それは退屈だ、ということです。

以前、私の先輩経営者にあたる南章行さんが書かれたブログに、40歳の絶望という話がありました。それは、大企業のエリートビジネスパーソンとして生きてきた人が40歳前後になると絶望にも近い感覚を持つということです。つまり、40歳前後になるとその会社でどのあたりまで昇進できそうかという見通しがはっきりして、一定の着地点がわかってしまい就職時に感じていたような希望がなくなるというものでした。

そういった人たちは外から見ても決して不幸に見えず、素晴らしいキャリアや幸せな家庭を持っているにも関わらず、です。贅沢な悩みだと思う人もいるかもしれませんが、私はその感覚は理解できるような気がしました。この先がわかってしまった人生の消化試合の歩みを進めるには40歳という年齢は先が長すぎるからです。

行き先がクリアに見えるということは退屈にもつながり得る、ということです。同じように一定の不確実性があった方がわくわくする人もいるのではないでしょうか。もちろん、安定を大切にされる生き方も何らかの使命感に基づくもので尊いものではあります。

どのような価値観を持っていたとしても、人生のコンセプトがあれば、人生の歩みを進める指針が得られます。自分ならではのコンセプトがほしい人は多いでしょう。この先の人生に迷っている人や毎日を有意義に過ごしたい方はぜひ本書を一読して、自分ならではのコンセプトを見つけてみてはいかがでしょうか。

 

著者紹介

フライヤー(flier)

ビジネス書の新刊や話題のベストセラー、名著の要約を1冊10分で読める形で提供しているサービスです。通勤時や休憩時間といったスキマ時間を有効活用し、効率良くビジネスのヒントやスキル、教養を身につけたいビジネスパーソンに利用されているほか、社員教育の一環として法人契約する企業も増えています。(https://www.flierinc.com/)

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