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メンタルヘルスの「新常識」

山本晴義(横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンターセンター長)

2013年07月08日 公開 2022年06月06日 更新

ビジネスマンにとって、ストレスはつきもの。たが無理を重ねた結果、「心の病」の状態まで追い込まれて仕事に支障を来たしたり、休職せざるを得なくなったりする人も増えている。

そうした事態に陥らないために必要な取り組みこそ、メンタルヘルス、つまり「心の健康管理」だ。しかし、残念ながら、誤った認識も決して少なくない。

そこで、メンタルヘルスの普及に精力的に活動している横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長の山本晴義先生に、メンタルヘルスで陥りやすい5つの「誤解」とは何か、お話をうかがった。<取材構成:笠原崇寛>

※本稿は、『THE 21』2013年7月号(PHP研究所)の内容を、一部抜粋・編集したものです。

 

〔誤解〕その1 ――「心の病」になるのは弱い人間だからだ

いまだに「うつ病になるのは心が弱いからだ」といった考えを持っている人は少なくありません。しかし、それは誤りです。むしろ「心が強い」と思っている人ほど、うつ病になってしまうケースもあります。

「心の病」にかかってしまう人の多くは、真面目な頑張り屋です。しかし、それが頑張りすぎたり真面目すぎたりすると、過度なストレスとなり、その結果、心と身体が悲鳴を上げてしまうのです。

生きている以上、ストレスは避けられませんし、心をどんなに鍛えてもストレスを何とも思わない「スーパーマン」にはなれません。何事も「過ぎる」のはよくありません。

適度に力を抜いてストレスを軽減・解消しながら、仕事に取り組むことをお勧めします。倒れるまで頑張るのではなく、倒れないように適度に頑張ることが大事です。

◇新常識◇頑張りすぎる人のほうが、心のトラブルに陥りやすい

 

〔誤解〕その2 ――疲れたら「週末」にゆっくり休むといい

ウイークデーは頑張って働き、週末にゆっくりと休む――。生活のリズムを一週間のサイクルで考えている人がほとんどだと思います。心に元気がない場合も、週末にゆっくりと休めばいいと思っている人は多いのではないでしょうか。

しかし、「土日はずっと家に籠もって寝ている」といった過ごし方をしてしまうと、生活リズムが狂い、月曜日に仕事に行くのがつらくなってしまいます。私が診ている患者さんも、月曜日、火曜日に調子を崩してしまう人が多いのです。

大切なのは、その日のストレスはその日に解決することです。趣味の時間を作る、運動する、美味しいものを食べる、早めに寝るなどして、積極的にストレスを解消する時間を持ちましょう。

この「ストレス一日決算主義」を心掛けることが、心の健康を保つ秘訣です。これを習慣にすれば、週末も生活のリズムを崩すことなく、より有意義に過ごすことができるようになるはずです。

◇新常識◇休日も平日と変わらないリズムで過ごしたほうがいい

 

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