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資金繰りに直結する経費削減は社長が率先して取り組もう

川北英貴(フィナンシャル・インスティチュート代表取締役)

2013年07月19日 公開 2022年12月28日 更新

本当に必要なものか、安くできないか、徹底的に考える

資金繰りを良くするには、経費削減は当然行わなければならない作業です。「うちはすでに経費削減は行っている」とは、私の会社にご相談いただく経営者の9割がおっしゃる言葉です。しかし実際に調べてみると、そのような企業の大半は、経費削減が不十分です。

では、経費削減を徹底的に行うにはどうすればよいでしょうか。

まずは経費の洗い出しを行います。経費が適正に使われているか、総勘定元帳を見ます。総勘定元帳とは、「いつ、どんな経費を使ったか、どこへ支払った経費か」、一つ一つ書かれたものです。その経費を分類し、定期的に発生するもの、突発的なものなど、細部にわたって内容を把握します。

そして次に、その経費を使った目的を把握します。経費の使用目的がはっきりしていないもの、誰も使用目的が答えられないものは、削減対象として問題ありません。

なお経費は、ただ削ればよいというものではありません。経費の種類には投資・消費・浪費があります。

○投資:将来の会社の成長に結びつけるために使う経費
(例)人材教育の費用、広告費用、機械購入費

○消費:事業を維持するために使う経費
(例)家賃、電気代、管理部門の人件費

○浪費:無駄使い
(例)不要な飲み代、分不相応の事務所家賃、働かない社員の人件費

投資の経費を削ってしまえば、短期的には利益が上がるかもしれませんが、将来的な利益を失ってしまう可能性があります。そのため、使用した経費の分類をきっちり行わなければなりません。結果として、削る経費の大半は、消費と浪費部分になります。

もちろん、投資の経費についても、今後の事業展開の中でその投資効果の発揮の見込みが薄い、または見込めない場合は大胆に減額・削減していきます。

そのために、一つ一つの投資で、どこまで費用対効果があるか、見ていきます。例えば広告費では、その広告によりどれだけの売上・利益が上がったのかを計算します。

また、一つ一つの経費は本当に必要なのか、もっと安くできないか、徹底的に考えます。

例えば営業マン一人一人に携帯電話を支給し、通信費を会社で払っていたものとします。そもそも営業マンに携帯電話を支給することが必要なのか、必要なら、携帯電話の料金プランは適正なのか、通話記録を見て私用の通話をしていないかなど、徹底的に経費削減を追求していきます。

このようなことを行って、はじめて「経費を削減した」と言えます。また、この作業は3ケ月に1回は行うようにします。1年の決算が終わった後では、経営者が実態をつかむ時間が遅れ、対応が後手に回ってしまいかねません。

まずは経営者自身が、総勘定元帳を見て経費の実態を把握します。総勘定元帳を見たことがない経営者なら、「こんな無駄なことに経費を使っていたのか」と驚くことでしょう。そこからが経費削減のスタートです。

 

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資金難に陥る経営者の特徴

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