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心に残る営業とは?お客様の心を動かす「エピソード営業」

山内緑(売りの現場コンサルタント)

2014年08月21日 公開 2021年09月13日 更新

 

エピソード営業とは

エピソード営業を定義してみると、次のようになります。エピソード営業とは、エピソード、例えば、お客様が大切にしているコト、モノを知り、お客様との良い人間関係を育んでいくこと。さらに、そこから売上を生むこと。

では、エピソードを使いながら、良い人間関係をつくるまでのプロセスを見ていきましょう。お客様と初めて出会った頃は、どんな人間関係なのでしょうか。もちろん「お客様と営業マンの関係」ですね。ところが、お客様とお付き合いを重ねるうちに、関係が変化していきます。

次の図に示した「接客のピラミッド」を見てください。ピラミッドの左側の数字は接客の現場、つまり「接客ステージ」を表わしています。上の接客ステージに上がっていくほど、高い接客スキルカが必要です。

ピラミッドの三角形は「お客様の気持ち」を表わしています。ピラミッドの右側は「営業マンが身につけたい力」を表わしています。

 

では、「接客のピラミッド」を順を追って説明しましょう。〈接客ステージ1〉での「お客様の気持ち」は、この営業マンはお客様に失礼がない。そのために「営業マンが身につけたい力」はマナー力です。

同じように〈接客ステージ2〉は、この営業マンは商品情報が豊富。そのために「営業マンが身につけたい力」はプロの情報力です。

〈接客ステージ3〉は、この営業マンは私にぴったり合った提案をしてくれる。そのために「営業マンが身につけたい力」はお客様に合う提案を仕立てる力です。

〈接客ステージ4〉は、営業マンと一緒にいると楽しい、気持ちが華やぐ。そのために「営業マンが身につけたい力」は人をワクワクさせる力です。

〈接客ステージ5〉は、この営業マンに接客してほしい、この人から買いたい。そのために「営業マンが身につけたい力」は人柄の魅力です。

〈接客ステージ6〉は、お客様も、営業マンも、また会いたい、何か買いたい。そのために「営業マンが身につけたい力」はご縁に感謝する力です。ここまで来ると本当に素晴らしい人間関係です。

私は研修中、受講者に「今のあなたは、どの接客ステージですか?」と必ずたずねます。ほとんどの受講者は「ステージ1か、2のあたり」と答えます。でも、せめてもの目標は、お客様が何度も来店して商品を買ってくれて、リピー卜率が上がり始める〈接客ステージ3〉です。

「自分には無理、できない」と思った人もあきらめないでください。誰でも、〈接客ステージ1〉からステージをコツコツと上っていくのです。

そのために必要なのは、お客様との接点をたくさんつくることです。お客様とお会いしたときに、お客様が言われたこと、お客様が大切に思われていること、逆にお客様からしていただいたこと……をしっかりと心にとどめましょう。それを心に残るエピソードとしてお伝えしながら、お客様との良い人間関係をつくっていきます。

こうしたことの積み重ねが、〈接客ステージ6〉のお互いにまた会いたい関係、何か買いたいという、売上が生まれる関係へと、必ずつながっていきます。今のあなたは、どの接客ステージですか?

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