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「印象で得する人」になるために必要な3つのこと

三坂健(株式会社HRインスティテュートシニアコンサルタント)

2015年04月21日 公開 2023年02月07日 更新

 

仕事が集まる人になる

ここまで企業のケースを例に、「ビジネスは印象で動いていること」、そして、「印象」にこだわることの重要性についてお伝えしてきました。

印象にこだわることではじめて、人から「選択」されます。「選択」されることではじめて、「成長」の機会を得ることができるのです。どんないい商品も、消費者に買ってもらうことではじめて認められたといえます。たとえ批判を受けたとしても、そこではじめて改善の視点が芽生え、次の改良へのきっかけを得ることができます。

これは企業や商品だけではなく、私たちビジネスパーソン個人でも同じです。どんなにいいスキルや素養を持っていても、それを活かすことができなければ「宝の持ち腐れ」となってしまいます。スキルや素養がない場合は、それこそ機会が与えられなければ成長することもできません。

では、どのようなことを意識すればいいのかですが、まずは「仕事が集まる」状態をつくりあげることです。とにかくチャンスをつかむこと、それが真っ先に必要になります。

マーケティングでは「AIDMA」の法則というセオリーがあります。これは消費者の購買プロセスを整理した法則で、商品を購入する際は、

・Attention(認知)
・Interest(興味)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(購入)

つまり、「認知して、興味をもち、ほしいと思って、記憶し、購入する」というプロセスを踏むというものです。

ここでポイントとなるのが、Attention(認知)とMemory(記憶)です。これだけ世の中に人や商品があふれていると、まず自分や自社のこと、自社の商品を認知してもらうことが何よりも大切になります。

知らないものには気づくこともできませんから、その存在すら認知されません。つまり、知らないものに機会を提供することはありえません。

ですから、認知される努力を必死にしなければなりません。そのために大切なのは常に「根拠のない自信」を持つことと「オープン」でいることです。そして「信頼関係を育む」ことです。

私たちは自信がないと「自分には無理だ」と閉ざしてしまいます。最初からこういったスタンスでは機会に恵まれるはずもなく、結果的に成長することはできません。

まずは陳列してもらうことが大切ですから、「自分ならやれる」と思い込み、それを周囲にも感じさせることが必要になります。

もちろん、それだけではダメです。同時に「やるべきことをやる」ことで信頼感を醸成しておくことも必要です。

認知の次に大事になるのが「覚えておいてもらう」ことです。覚えておいてもらえば、選んでもらえる「確率」、購入してもらえる「確率」が高まります。

タイミングよく機会が転がっていればいいのですが、ほとんどの場合がそうではありません。「今はお願いできる仕事がない」というシチュエーションばかりと言ってもいいでしょう。

ただし、いつかは機会は生じるわけで、その際に「あ、そういえばあの人に頼もう」と思ってもらえるかどうかがポイントになるのです。

では、覚えておいてもらうためにはどうすればいいか、ということですが、特徴を明確に伝え、「ここはいいね」という印象を形成しておくことが大切です。実際にその人は購入しなくても、友人や家族に勧めてもらえるかもしれません。

具体的に、記憶に残すための方法には、どのようなものがあるでしょうか?

・すばらしい経験を提供する
・強烈な驚きを与える
・継続的に関わりをつくる

絞り込むと、この3つになります。

1つ目は、実際にサービスを利用したとき、仕事を一緒にしたときに、「すばらしい経験」が提供されていればその人の心にずっと残ることになる、というものです。その結果、他の人へ勧めてもらえる可能性が高くなります。

2つ目の「強烈な驚きを与える」は、たとえば、サプライズのサービスをするとか、元気にあいさつをするとか、予想外の展開で意外性を与えるなどの取り組みとなります。

そして、3つ目が「継続的に関わりをつくる」です。これは定期的にメッセージを届けたり、露出を増やして目につくようにするといった取り組みを指します。

こうした活動を通して、印象を形成しておくと、いずれ「そういえば、あそこにいってみようか」と思い出してもらうことにつながります。

ビジネスが成立するのは、「すぐに取引を行なう」、あるいは、「まず覚えておいていずれ取引する」のどちらかの場合です。相手に好印象を持ってもらうことで、後者の取引の可能性を高めることができます。

突き詰めると、機会に恵まれる人に共通するキーワードは次の3つです。

1、「認知」
2、「信頼」
3、「タイミング」

まずは知ってもらわないと始まりませんから、「認知」してもらうことが必要です。次に「信頼」を得ます。信頼を得ることで、思い出してもらう確率が高まります。

そして、「タイミング」も大切です。タイミングを逃さないためにも、何か仕事の機会が生じた際に、すぐに頼める関係、頼りにされる関係であり続けることが必要といえるでしょう。

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