おうちで淹れる「おいしい珈琲」のコツ
2010年11月09日 公開 2024年12月16日 更新
ドリップで淹れる珈琲の基本
ペーパードリップは、家庭で多く利用されていますが、ドリッパーの構造、ローストの程度、粉の質、粒度、抽出温度、水質で香味は変動しますので、意外に難しいしのです。
珈琲抽出セミナーで、10人に同時に掩れてもらって味見をすると、全員の珈琲の香味が微妙に違ってきます。しかし、ドリップの基本さえ理解しておけば、抽出で自在にコントロールし、さまざまな香味をつくりだすことができるようになります。
【ドリップとは】 ドリップとは、高温の湯で珈琲の成分を溶解し、浸出させ、ろ過することをいいます。具体的には、珈琲の粉に少量の湯を注ぎ、粉に湯を充分に浸透させ(蒸らすといういい方もあります)、粉に含まれた炭酸ガスや成分を溶解する作業を連続して行います。
この過程が充分な場合は、抽出の初めの数滴の中に、溶解された珈琲エキスが含まれます。この初めの数滴、つまりエキスを抽出することをイメージしながら抽出します。
【ドリップのスキル(技術)】 10回抽出して10回同じような香味にできること、1人分と4人分を抽出したときに同じ香味にできることが、基本的なスキルとなります。これを感覚的に身につけましょう。
毎日抽出していると、「今日はすごくよかった」というような日が出てくるはずです。そのような感覚を覚え、積み重ね、自在に香味をつくれるようになってください。レシピどおりにしても香味に個人差が出ますので、お店の場合は全員が同じ香味で掩れられるように練習が必要です。
【粉の量】 粉の量と抽出時間は、あくまで目安です。これで抽出しなければならないというわけではありません。抽出杯数に比例して粉の量を増やすと香味が濃くなりすぎます。
同じ粉の量の場合は、抽出時間が長ければ濃い香味、短ければ軽い香味になります。粉を多めに使い抽出時間を短めに、粉を少なめに使用し抽出時間を長めにしてもかまいません。さまざまに試し、自分の好みを見つけ出すことができるのもドリップの魅力です。
ミディアムからシティローストの場合は、表のバランスを参考にしましょう。
フレンチローストの場合は、同じ抽出量でも、粉の量を多めに、抽出時間も長めにしたほうが、香味のバランスがよくなります。 例えば、2人分は粉30グラムを使用し、4~5分で抽出すると、しっかりした濃度のある珈琲ができます。もちろん表と同じ抽出でもかまいません。
淹れ方の基準
湯の温度●90-96度
湯の温度が高すぎると苦味が出すぎて味が重くなる。90度以下で抽出する場合は、よく時間をかけて抽出する。
粒の挽き方●中挽き
粉の量と抽出時間●
粉の量 | 抽出量 | 抽出時間の目安 | |
---|---|---|---|
1人分 | 10~15g | 120cc | 2~3分 |
2人分 | 20~25g | 240cc | 2~5分 |
3人分 | 30~35g | 360cc | 3~5分 |
4人分 | 40~45g | 480cc | 4~5分 |
*粉の量:1人分10~12gが目安、大人数のときは、少なめにする。
*抽出時間:長すさると味がしつこくなり、短すぎると味がしっかり出ない。