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何時に起きるのがベスト? 専門家が訴える「起床時間を固定する」重要性

ヒラノマリ(スリープトレーナー)

2024年12月13日 公開 2024年12月16日 更新

「何時に寝るのがベストなのか?」多くの人が就寝時間を気にしているものです。しかし実は、大切なのは「起床時間」を固定することだと、スリープトレーナーのヒラノマリさんは主張しています。書籍『世界のエリートが実践! 人生を変える睡眠術』より解説します。

※本稿は、ヒラノマリ著『世界のエリートが実践! 人生を変える睡眠術』(大和出版)を一部抜粋・編集したものです。

 

「眠りの時差ボケ」に注意する

「何時に寝て何時に起きるのがベストなのですか?」よく、こんな質問を受けます。

結論から言うと、就寝時間と起床時間は、その人の仕事や生活パターンによって違うので、あまり厳密に「何時から何時」と考えなくてかまいません。残業で遅くなったりして、就寝時間に多少ばらつきが出るのも許容範囲です。ただ、起床時間を固定することは大切です。これは守ってください。

 

●体だって「時差ボケ」する

というのも、起床時間がバラバラだと体内時計が狂い、体が時差ボケしてしまうからです。やっかいなことに、一度時差ボケすると、元の体内時計に戻すのに数日かかってしまいます。

あなたのまわりにこんな人はいませんか?

「月曜日はエンジンがかからず、水曜日あたりからやっと調子が出る」
「午前中は使いものにならない」

そのような方は、日本にいながら時差ボケになっている傾向があります。当然、仕事にも影響が出てくるでしょう。パフォーマンスの低下を防ぐためにも、できるだけ起床時間は朝7時なら7時と決めて、動かさないようにしてください。

 

大事なのは、眠りはじめの90分

従来、睡眠のゴールデンタイムは午後10時から午前2時の間と言われてきました。しかし、今の研究では、成長ホルモンが最も分泌されやすい時間帯は「眠りはじめて最初の90分」で、その時間に一晩に分泌される成長ホルモンの7~8割が分泌されると言われています。

もちろん、成長ホルモンの分泌は体内時計の影響も受けているので、昼間よりも夜にちゃんと眠るほうが望ましいのは確かです。

ですから、なるべく夜と言われる時間帯に眠っていただきたいのですが、「必ず夜1時に寝ないといけない」ということはありません。現代人は忙しいし、帰宅時間が10時頃かそれ以降になる、という人もいますよね。

というわけで、何よりも重要なのは「眠りに入って最初の90分を充実させること」なので、それを念頭において対策を立てましょう。入眠がスムーズだと、その後の睡眠もだいたいスムーズなのですが、寝つきが悪いと、起きるまでの睡眠も不安定になりやすいのです。

 

●「レム睡眠」「ノンレム睡眠」のバランスを考える

睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があると聞いたことがある方もいるかもしれませんね。

簡単に説明すると、記憶の整理や定着をおこなう役割をもつのがレム睡眠、脳や体を休める役割をもつのがノンレム睡眠です。そして、眠りはじめの90分で成長ホルモンを活発に分泌させるのも、ノンレム睡眠の役割です。

レム睡眠は、ノンレム睡眠に比べて軽視されがちなのですが、実は、レム睡眠に入っている間は唯一ストレスホルモンが脳内に存在しない時間帯で、「メンタルヘルスの時間帯」と言われています。つまり、レム睡眠は、私たちの精神を健康に保つために重要な役割を果たしているのです。

このように、睡眠の段階にはそれぞれ大事な役割があり、私たちは、その両方を充実させることで最大のパフォーマンスを発揮できると考えられます。

 

どんなに忙しくても起床時間を固定する

パフォーマンスアップのための「攻めの睡眠術」として、まず必ずやっていただきたいのは、起床時間の固定です。どんなに忙しくても、いつもと同じ時間に起きることを目指してください。就寝時間も固定できればベストですが、忙しいビジネスパーソンは、どうしても仕事の関係で寝る時間が遅くなることもあると思います。

ですから、寝る時間を固定するのは難しくても、起きる時間だけはできるだけ固定することが大切です。

 

●社会的時差ボケを防ぐために

社会的時差ボケ(英語では「Social Jetlag(ソーシャル・ジェットラグ)」という言葉があります。飛行機で外国に移動したからではなく、日常生活の中で、起床時間のずれ、夜型生活、寝だめなどのために時差ボケ状態になることを指しています。

この社会的時差ボケが2時間以上あった人は、1時間以下の人と比べて、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌量が増えたり、安静時の心拍数が増えたりすることが研究でも明らかになっています。そのため、メンタル不調になるリスクも高いことが指摘されているのです。

睡眠のリズムが崩れて体内時計がずれると、ホルモンの分泌や深部体温の変化、自律神経の働き自体も、みんな後ろ倒しになってしまいます。

そういう状態ですと、本来なら仕事の時間に高い集中力やパフォーマンスを発揮できているはずなのに、それが叶わなくなってしまうのです。

ですから、仕事でいい結果を出すには、起床時間も、できれば寝る時間も、固定することがとても大切です。食事の時間もなるべくずらさないようにしましょう。腹時計を安定させることも、体内時計の安定につながるからです。

 

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