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生姜の効果・効能~やせる!若返る!病気が治る!きれいになる!

石原結實(医学博士/イシハラクリニック院長)

2016年01月15日 公開 2024年12月16日 更新

PHP文庫『医者いらずの「生姜(しょうが)」事典』より

 

あなたも生姜で医者いらず?

ここ数年続いている「生姜ブーム」は、一向に衰える気配がない。

紅茶、スープ、雑炊……などに生姜を入れた商品が冷え性の女性の間で重宝されているのだ。

生姜の生産量日本一の高知県は、南国市後免町で「町おこし」の一つとして、地元特産の生姜、ダイコン、黒砂糖を使って「ごめん、ごめんしょうが飴」を作り、売り上げを伸ばしているという。

某大手食品メーカーでは「生姜事業部」まで立ち上げられ、生姜の研究と生姜を加えた新商品の開発に力を入れている。

また、料理やドリンク、デザートなどに生姜をふんだんに加えて提供する、言ってみれば「生姜レストラン」もあちこちにオープンしている。

さらには、生姜の粉末を容器に入れていつでも持ち歩き、料理、飲み物等々、何にでも生姜粉末をかけて食べるジンジャラー(「ginger」=「生姜で味をつける」+「~ er」=「~する人」)なる人も登場している。

私は、30数年前、東京で内科クリニックを開業したが、なるべくなら化学薬品を使わずに診療したいという気持ちがあった。そこで大学医学部では習わなかった漢方薬を独学で勉強した。勉強している間に気づいたことは、風邪薬で有名な

「葛根湯(カッコントウ)」、胃の薬の「安中散(アンチュウサン)」、肝臓の薬の「小柴胡湯(ショウサイコトウ)」、腸の薬の「桂枝加芍薬湯(ケイシカシャクヤクトウ)」……等々、200種類くらいある漢方薬の6~7割に「生姜」が配合

されているという事実である。

「生姜」は不思議な生薬だなあと思い、種々の文献(論文)を調べたが、日本には生姜について書かれた文献の数が少ない。そこで、海外の文献を調べてみたら、デンマークやアメリカで発表された「生姜の効能」に関する論文を多数見つけ、貪るようにして読んだ。

簡単にまとめると、生姜の辛味成分である「ジンゲロン」「ショウガオール」などが、

1)血管を拡張して血圧を下げる。

2)血栓(脳梗塞、心筋梗塞の原因となるもの)を溶かす。

3)脳の血流をよくして「うつ」を防ぐ。

4)白血球の力を強くして免疫力を上げる。

5)発熱に対しては、発汗、解熱作用を発揮する。

6)痛みを軽減する。

7)めまいに効く。

8)殺菌作用がある。

等々の効能を発揮するという。

その後、自分でも生姜紅茶を飲み、みそ汁や納豆、豆腐、醤油などに生姜を加えて食べ、また、患者さんにも生姜の効能を説いて、実践してもらって得られた生姜の素晴らしい効果について『「生姜」は万病に効く最上の「薬」だった』(1996年、文化創作出版)という著書で世に問うたが、全く売れなかった。

しかし、その後も年月が経つにつれ生姜の健康効果の素晴らしさを体験し、取材に来る健康雑誌の記者に熱心に説明し続けたところ、雑誌や新聞の「健康・生活」のコーナーで生姜の特集が組まれるようになり、徐々に「生姜の効能」が多くの人に知られるようになって、現在の生姜ブームが到来した。

今日、この「生姜ブーム」を作ったのは、私であると自負している。

著者紹介

石原結實(いしはら・ゆうみ)

医学博士、イシハラクリニック医院長

1948年、長崎市生まれ。医学博士。長崎大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科博士課程修了。現在、イシハラクリニック院長として漢方薬と食餌気療法指導によるユニークな治療法を実践するかたわら、全国各地で数多くの講演を行う。先祖は代々、鉄砲伝来で有名な種子島藩藩医。3代前は薩摩藩に英国医学を伝えたウィリアム・ウィリスに師事して外科学を修め、後に上京して済生医学舎に学んだ石原平次郎民也。コーカサス・グルジア共和国科学アカデミー長寿医学会名誉会員。
著書は『「医者いらず」の食べ物事典』『石原式「朝だけしょうが紅茶」ダイエット』『「食べない」健康法』(以上、PHP文庫)、『生姜力』(主婦と生活社)、『「体を温める」と病気は必ず治る』(三笠書房)、『新 健康力大全』(KKロングセラーズ)など200冊以上。

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