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ストレス軽減! よく噛む習慣で脳が若返る

小野塚實(咀嚼と脳の研究所長)

2015年05月11日 公開 2024年12月16日 更新

 

ストレス軽減に役立つ"よく噛む習慣"

シアトル・マリナーズのイチロー選手をはじめ、多くの日本人選手が活躍しているとあって、いまでは米メジャーリーグの野球中継が毎日のように放映されています。見ている人も少なくないと思いますが、何か気づいたことはありませんか?

バッターボックスに立つ選手、あるいは、守備についている選手たちが、ガムを噛んでいる、というのがそれ。あれは何もメジャーリーガーは"お行儀"が悪いということではないのです。

ゲームに真剣に取り組んでいればいるほど、選手は緊張感にさらされます。その緊張感はストレスを生まずにはいません。

しかし、ストレスがかかっていては存分に持っているカを発揮することができない。ガムを噛んでいるのはストレスを緩和、解消するためなのです。メジャーリーガーばかりではありません。陸上の短距離選手やサッカー選手など、さまざまな分野のアスリートたちにも、同じ姿が見られます。

なぜ、ガムを噛むとストレスが緩和され、また、解消されるのでしょう。関係しているのは「セロトニン」という神経伝達物質です。このところ注目度抜群ですから、みなさんもこの名前を聞いたことがあるかもしれませんが、脳内にセロトニンが増えると、緊張感がほぐれ、ストレスが緩和、解消されるのです。

セロトニンを増やす効果があるのがリズミカルな運動。ガムを噛むことはまさにそれにあたります。リズミカルに「クチュクチュ」とやることで、アスリートたちはストレスを取り除き、プレーに全力を注いでいるというわけですね。

彼らほど集中的に大きなストレスがかかるということはないにしても、わたしたちも日々、ストレスを抱えながら生きています。仕事や人間関係など、周囲にはストレスのタネがいっぱいなのではありませんか?

とすれば、わたしたちもストレスへの対抗策をもつ必要がある、ということになります。ここはアスリート流を取り入れるのも一法。「ストレスがたまってきたな」と感じたら、ガムを噛むようにするのもいいのではないでしょうか。

さらに効果的なのは「よく噛む」習慣をつけることです。たとえば、いつでもランチをゆっくりよく噛んで食べる。それで午前中の仕事でかかっていたストレスは大幅に軽減されることになるはずです。

噛むことによるストレス軽減効果についても、わたしたちは実験で確かめています。

 

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