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くらし

夏もシャワーだけではダメ!? 疲れがスッキリ取れる「入浴の正解」

早坂信哉 (温泉療法専門医)

2016年07月30日 公開 2024年12月16日 更新

忙しい日や暑い日が続くと、ついシャワーで済ませてしまう人も少なくないはず。しかし、湯船に浸かるのとシャワーで済ませるのとでは、疲労回復度や幸福度に歴然とした差があるのだ。

では、疲労回復に最も効果的な入浴法とは何か。その効果を最大限に引き出す理想的な入浴法を、温泉療法専門医の早坂信哉先生にうかがった。(取材・構成/麻生泰子)

※本稿は『THE21』2016年7月号より一部抜粋・編集したものです

 

シャワーより湯に浸かるべき3つの理由

入浴後は、疲れが取れて身体が軽くなる爽快感があります。その理由は「汗や汚れが落ちたから」だけではありません。

これは、全身の血流が良くなり、血中の二酸化炭素や疲労物質が流し去られ、新鮮な酸素や栄養が全身に行き渡ったからです。入浴前後の血液を観察すると、入浴前は黒ずんでいた血液が、入浴後には赤みを帯びたきれいな血液に変化したことを確認できます。

入浴で血の巡りが改善し、疲労も回復するのには、3つ理由があります。1つは「温熱作用」。温まった身体が、血液を介して熱を逃がそうと血管を拡張し、血の巡りを良くするのです。

2つ目は「浮力」。全身浴をすると、体重は10分の1程度になります。すると、重力による身体への負担が減り、筋肉が弛緩します。これにより、硬くなった筋肉に圧迫されていた血管が広がり、血液が流れやすくなるのです。関節への負担が減るという効果もあります。

3つ目は「静水圧作用」。重力で下半身に溜まっていた血液や体液が、お風呂の水圧がかかることで心臓に押し戻されます。

結果、身体全体の水分のバランスが整うのです。

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ポイントは「38~40度」と「全身浴」

著者紹介

早坂信哉(はやさか・しんや)

温泉療法専門医 医学博士

1968年生まれ。宮城県出身。自治医科大学大学院医学研究科修了。浜松医科大学准教授、大東文化大学教授などを経て、現在、東京都市大学人間科学部教授。(一財)日本健康開発財団温泉医科学研究所所長。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者。著書『最高の入浴法  お風呂研究20年、3万人を調査した医師が考案』(大和書房)。

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