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小山昇の超速仕事術!「あれもこれも頑張る人」より「やらないことを決めた人」が強い

小山昇(株式会社武蔵野代表取締役社長)

2017年02月16日 公開 2017年02月27日 更新

やらないことの「重要性」

社長の仕事は「決定」と「チェック」です。

私は、朝7時から19時、3年前は6時から働き、年間何冊もの本を書いて、夜は歌舞伎町で酒を飲んでいました。「どうやったらそんな時間があるんですか」とよく聞かれます。その答えは、「やること」と「やらないこと」をはっきりさせているからです。

私が「やらないことを決める」重要性に気が付いたのは、ある大失敗に起因しています。

武蔵野は、53年間にわたってさまざまな事業を行なってきました。ダスキンの代理店として環境クリーニングサービスやオフィスコーヒーサービスを手がけ、電球や蛍光灯を売り、ボイスメールやインターネットのプロバイダーのIT事業をやり、さらには経営サポート事業もです。

しかし、一見バラバラに思えるこれらの事業にも、共通点があります。それは、「リピート」です。私が手がける事業は、「同じサービスを同じお客様に繰り返し売る」一面を持っています。このことを「鉄砲は売らない、弾を売る」と説明しています。

このような事業形態を取ると、目の前にある儲かりそうな事業に片っ端から手を出していると思われますが、そうではありません。社長の勘だけで新規事業を始めると、収拾がつかなくなる。

しかし、「ダスキン事業」が軌道に乗り、次に手がけた「オフィスコーヒーサービス」も大きな柱に育った時に、3つ目の事業として意欲満々でスタートさせたビジネスで、大失敗を経験しました。

2億8000万円の投資をして、売上げはわずかに3000万円。おまけに事業を撤退させるのに3000万円を銀行から借入れました。これは、誰が見ても失敗です。

失敗の原因は、市場ができていないことにありました。要するに「時期尚早」だった。

ライバルがいない代わりに、軌道に乗るまでにどのくらいの期間を要するかも読めない。

当時の企業体力では、リスクが高すぎる事業でした。

この失敗を肝に銘じ、私は「やらないこと」を決めました。自社の強みと弱みを知り、何をやらないかを決めれば、新しいビジネスを客観的に検討することができます。欲に目がくらんでクラクラしても、とんでもない落とし穴にはまることを防げます。

前述の「鉄砲は売らない」の意味は、「売ったらそれでおしまい」というスタイルの商売をしない、私自身への戒めです。鉄砲は一度売ったら、壊れるまでは同じお客様に売れません。常に新規のお客様を開拓しなければならない。それは私が求めるビジネスモデルでないので、単価が高くて儲かる商売でも、手を出しません。

同様に私は、「ライバルのいない事業には手を出さない」と決めています。大失敗に懲りて、新しい市場に出る商売もしないことにしました。

自分の身の丈を考えて、「やらないこと」を決めると、むやみに事業の間口を広げることがなくなります。そして、自社の強みを生かした仕事ができます。

まず初めに「やらないこと」を決める。そして、「やる」となったら徹底的に、勝つまでやる。やらないと決めたことをクヨクヨと振り返るのは厳禁です。

それが、先行き不透明な現代社会で、小さな会社の舵取りをしていく秘訣だと、私は考えています。あなたは、自分の「やること・やらないこと」を決めていますか? 決めていない人は、やることを決めて実行したかをチェックリストで徹底的にチェックしている人には敵わないでしょう。

 

※本記事はPHPビジネス新書『小山昇の超速仕事術』より一部を抜粋編集したものです。

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