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1000人以上の夢実現をサポートしたプロコーチが明かす「自分を信じる力」とは?

久野和禎(プロコーチ)

2017年01月28日 公開 2024年12月16日 更新

 

思い描いた未来が現実になる!

「自分を信じる力」とは何か

「自分を信じる力」をコーチング用語で説明すると「エフィカシー」という言葉があてはまります。エフィカシーは心理学でも有名な言葉で「自分のゴールを達成できるという自己の能力に対する自己評価」と定義され、「自己効力感」といったりもします。

これはシンプルにいうならば、「自分ならできる!」と、心から確信する力のことです。

ここでのポイントは、「心から確信する」というところです。

「心から確信する」というのは、自分が高いゴールを達成する能力をもっていると、1%の疑いもなく信じきっている状態のことで、つまり無意識レベルで信じきっているということになります。それはまるで、明日の朝も太陽が昇ることをわざわざ心配したり、意識したりしないのと同じように、自分が自分のゴールを達成することをごく当たり前のこととしている状態です。

けれども、そもそも自分がまだ見たことのない高いレベルでのゴールを設定しているのですから、完璧に自信をもって「できる」と言い切るのには、矛盾があります。

それでもあえて、その状態を目指していくことが必要で、そうすることによってのみブレイクスルーが生まれます。

そして「心から確信する」ために大きな力になるのが、自分をゴールへと導いてくれる存在です。

それはたとえば、「どうせやるなら、全国を目指そう!」とコーチに言われて、一瞬、全国大会に出ている自分の姿が見えたりするような感じです。そうやって、ちらっと見えた「ゴール=自分が望む未来の姿」をつかんでいくのです。

「自分のことを100%信じられる人」というのはそう多くはありません。だからこそ、自分以上に自分のことを信じてくれている存在と出会えたら、「自分を信じる力」はぐっと身近なものになるはずです。

 

「自己評価ばかり高い人」との違い

「自分を信じる力」には、2つの条件があります。

ひとつは「ゴールがあることが前提」というものです。

つまり、「自分を信じる力」はゴールがあって、そのゴールを実現することに対してのものだということです。

当たり前のようですが、これはとても大事なことです。

「自分を信じる」「自己評価が高い」と聞いて、「自己評価ばかり高くて、全然仕事ができない、困った人もいるけれど、そういう人についてはどう考えればいいのだろう」と思った方がいるかもしれません。

そうした「自己評価ばかり高くて仕事ができない困った人」と「自分を信じる力でゴールを実現する人」ではどこが違うのでしょうか。

その違いは、しっかりとしたゴールがあるかどうかです。

自己評価が高いこと自体はいいことです。しかし、実力が伴っていないとバランスがとれなくて困った状態になります。

ここで仮に、実力はまだ物足りないけれど自己評価は高いA君という若手社員がいるとします。A君がしっかりとしたゴールをもっているかいないかで、彼が「自己評価ばかり高くて仕事ができない困った人」になるか、「自分を信じる力でゴールを実現する人」になれるか、が変わってきます。

たとえば「自己評価ばかり高い困った人」は、明確なゴールもなく、単に「かっこいい」「いかにもデキる人っぽい」「モテそう」といった、社会的に受けがよさそうなイメージの仕事に憧れていたりします。

ですが、ゴールに向かっているわけではないので、自分の実力不足を埋めようとすることもなく、そのまま「自己評価ばかり高くて仕事ができない困った人」のままです。このような状態になると、A君もそういう「自己評価ばかり高くて仕事ができない困った人」になってしまいます。

一方、A君がしっかりしたゴールを設定している場合には、自分の実力不足を自覚しているはずですから、ギャップを埋めるために必要な努力をします。そして、後には「自分を信じる力でゴールを実現する人」になれるのです。

ゴール設定は、真の「自分を信じる力」を生み出すためにも必要なものなのです。

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著者紹介

久野和禎(ひさの・かずよし)

プロコーチ

コノウェイ株式会社代表取締役。一般社団法人コグニティブコーチング協会副代表。プロコーチ。
1974年、横浜市生まれ。東京大学経済学部卒。筑波大学MBA(International Business専攻)。幼少期をサンフランシスコ、中学高校生時代をロンドンで過ごす。大学卒業後に起業し、2社を並行して経営した後に人材系企業を経て、複数の外資系大企業(タイコエレクトロニクス〈米〉、フィリップス〈蘭〉、ビューローベリタス〈仏〉)で多様なマネジメントポジションを担う。その後、ProFuture を経て、2015 年12 月にコーチングを軸としてコンサルティングを加えたサービスを提供する総合経営支援企業、コノウェイ株式会社を創業。全米で数多くの企業・組織に導入されているルー・タイス氏の手法と、苫米地英人氏から学んだ認知科学の知見を融合させ、独自の目標実現メソッド「ゴールドビジョン・メソッド」を開発。大企業役員、中小企業社長、マネージャー、現場のビジネスパーソンまで幅広い対象のクライアント層に対してコーチングを行なっており、グループ、マンツーマンで1000人以上に対してのコーチング実績を有する。企業に対しては、個々の強みを活かしながら組織にハイパフォーマンスカルチャーを醸成・定着させることを得意とする。テンプル大学にて認知心理学(コーチング)の講義を担当。

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