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「食べすぎ」がうつを引き起こす!? 心が整う「食べ方」&お勧め食材

功刀浩(国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部部長)

2017年03月29日 公開 2022年06月09日 更新

食事の内容や食べ方が身体に大きな影響を与えることは誰でも知っているだろうが、実はメンタルに与える影響も大きいことが、近年、明らかになってきている。

食事とメンタルの関係に詳しい専門家・功刀浩氏に、メンタルに良い食事の摂り方についてお聞きした。《取材・構成:塚田有香》

 

食べすぎによる肥満がうつ病発症の引き金に!?

脳も肉体の一部であり、その細胞は私たちが食べたモノから作られます。その点では筋肉や内臓とまったく同じ。ですから、食事が、肉体と同様に、メンタルにも影響をおよぼすのは当然のことと言えるでしょう。

メンタルヘルスの点から見て、現代人の食生活には大きく2つの問題があります。

1つは、食べすぎです。

ここ15年ほどの研究で、エネルギーの摂りすぎがうつ病やアルツハイマー型認知症などの精神・神経系の病気に大きく影響することが明らかになってきました。とくにBMI値が30を超える肥満だと、これらの病気が増える傾向があります。

肥満になると脂肪細胞が膨れて、体内に炎症を引き起こす物質を分泌します。それが脳に達してダメージを与えると、うつ病や認知病の発症の原因になると考えられています。

うつ病患者は痩せていると思われがちですが、実は、肥満気味で血糖値や中性脂肪値が高い人が多い傾向にあります。非常に大きなストレスがあると食欲が減退しますが、現代人が仕事で感じるような中程度のストレスだと、むしろ空腹感を増すため、つい食べすぎてしまうからです。

つまり、うつ病の人は糖尿病やメタボリック症候群になりやすく、その反対も成り立つという、相関関係にあるのです。うつ病も生活習慣病の一つだということです。ですから、食生活を見直し、肥満を解消すれば、メンタルの状態も改善する可能性が高まります。

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加工された食品だけでは十分な栄養は得られない

著者紹介

功刀 浩(くぬぎ・ひろし)

国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 疾病研究第三部部長

1961年生まれ。東京大学医学部卒。94年、ロンドン大学精神医学研究所に留学。帝京大学医学部精神神経科学教室講師を経て、2002年より現職。医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会指導医、日本臨床栄養学会指導医。うつ病、躁うつ病、統合失調症に関する先端的脳科学検査と栄養学的検査にもとづいて診療・治療を行なう。著書に『こころに効く精神栄養学』(女子栄養大学出版部)など。

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