「1行」で伝えるコツ~普段使わない言葉でガシっとツカもう
2017年11月22日 公開 2024年12月16日 更新
※本記事は、川上徹也著『伝わる人は「1行」でツカむ』(PHP文庫)より、一部を抜粋編集したものです。
言葉の違和感が、なぜか印象に残る?
普段その場面ではあまり使わないような言葉を使うと、違和感を覚えて「何だろう?」と興味をそそられます。
女性誌の見出しでは、読者の興味のある話題に、普段使わないような硬い言葉や古い言葉を組み合わせるという手法がよく使われます。その違和感によって、印象に残るフレーズになるからです。『VERY』の表紙にあったキャッチコピーを見てみましょう。
「所信表明」という政治用語と、「オシャレ」という言葉の組み合わせが新鮮ですね。
次は、『STORY』の表紙のキャッチコピー。
こちらも「内閣」という政治用語と「オシャレ」を組み合わせています。ちなみにこの内閣には、オシャレ総理大臣から、モテぽにょ大臣、カジュアル戦略担当局担当大臣など、いろいろな大臣が登場します。
次は『婦人公論』の表紙に書かれていたキャッチコピーです。
「白書」とは本来、政府が社会政治等の実態をまとめた報告書のことをいいます。それを「婚外恋愛」という言葉と組み合わせたことでインパクトのある表現になっています。
同じく『婦人公論』の表紙に書かれていたキャッチコピーです。
こちらも「大往生」という言葉と一番合わないであろう「計画」という言葉を組み合わせたことで強いフレーズになっています。
この手法は女性誌に限りません。以下の見本は『SPA!』のものです。
「四季報」とは、『会社四季報』(東洋経済新報社)をイメージさせるもので、本来は会社ごとの情報や業績をコンパクトにまとめたものです。それを「合コン」という言葉と組み合わせたことでユニークな表現になっています。この見出しに2016とあるように、毎年発表される恒例企画です。ちなみにこの見出しのサブタイトルに「夜の株を上げた企業、暴落した会社とは?」というフレーズが書かれています。
以下の見本も、『SPA!』にあった見出しです。
こちらも普通は医療用語である「処方箋」という言葉を使っていることで、より切実感を出しています。
このように普段は使わない言葉を普通の言葉に組み合わせるだけでも、ちょっと新しい感じのフレーズがつくれます。
これをビジネスの場で応用してみましょう。
たとえば、自社がその商品でシェアナンバー1を目指してプロジェクトを立ち上げる時、プロジェクト名を考えるとしましょう。
こんな時、普段ビジネスシーンでは使わないような言葉を持ってくると、ちょっとおもしろいフレーズになります。
ここでは、戦国時代をイメージさせるような言葉を持ってきました。社員のモチベーションを上げることも目的ですが、ここから新しいアイデアが生まれてきたりもしそうです。
たとえば、地区ごとの責任者を戦国武将の名前で呼ぶようにするのはどうでしょう? 広報で社外にうまくアピールすれば、話題になる可能性もあります。