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10年後、病気にならないための 「健康習慣」とは?

小林弘幸(順天堂大学医学部教授)

2018年07月03日 公開 2024年12月16日 更新

その働き方のままでは危険です!

多少の不調を感じても我慢してフル稼働し、病院にも行かない40代は多い。しかし、疲労やストレスといった目に見えないダメージは確実に蓄積される。このまま健康上の負債を抱え続ければ、近い将来取り返しのつかない事態に……。健康への投資はあらゆるビジネスマンにとって不可欠だ。そのために、ほんの少しの手間で改善できる生活習慣を、自律神経研究の第一人者である小林弘幸氏にうかがった。

 

「まだ大丈夫」という人ほど危ない!

 40代は身体のあちこちが衰えてくる年代。自律神経の機能低下と腸内環境の不調によって、体力が著しく低下します。また、責任ある立場を任されて、仕事のストレスも溜まりやすくなる。40代が健康の分かれ道と言われるのはそうした理由からでしょう。そのまま身体を酷使して働き続ければ、自律神経の働きが乱れ、血流が悪くなって免疫力が衰えます。これにより、ガンや脳梗塞などさまざまな病気に罹かかりやすくなるのです。

 今でこそ健康習慣の大切さを説いている私ですが、実は40代の不摂生が祟たたって、50代で大病を患いました。それまでの私は、365日働き詰め。食事は毎日カップラーメンです。ストレスも相当なもので、日曜の夕方になると憂鬱になる「サザエさん症候群」でした。

 ただ、若い頃からスポーツに熱中し、体力には自信があったので、不調が続いても病院には行きませんでした。そんな50代のある日、急性喉頭蓋炎を発症してしまったのです。当時、4~5日咳が止まらなかったものの、構わず飛行機に乗りこんだところ、気圧の変化を受けて症状が急激に悪化したのです。

 そうした経験もあり、私は次の3つの習慣をお勧めしています。1つは、不調が2週間程度続いたら必ず病院に行くこと。身体の不調のサインを見逃してはいけません。

 2つ目は、定期的に健康診断を受けること。皆さんも忙しさを言い訳にせず、通院日をあらかじめスケジュールに組み込んでください。信頼できる医師に定期的に診てもらうことで、病を未然に防ぐことができます。

 3つ目は、自律神経を整え、副交感神経を優位にする生活を心がけること。イライラして交感神経の働きが常に活発だと、脳梗塞や脳出血、心臓発作を起こすリスクを高めます。

 その他にもお勧めしたい習慣を紹介しますので、参考にしてみてください。

 長く医療の現場に携わっていると、昨日まで元気だった人が、今日亡くなったという場面にたびたび出くわします。自分もそうならないとは誰も言えないでしょう。だからこそ、毎日を丁寧に生きることが大切です。未来の自分に対する「投資」だと考え、今から生活習慣を見直しましょう。

著者紹介

小林弘幸(こばやし・ひろゆき)

順天堂大学医学部教授

1960年、埼玉県生まれ。92年、順天堂大学大学院医学研究科博士課程を修了後、ロンドン大学附属英国王立小児病院外科などの勤務を経て帰国。順天堂大学小児外科講師、助教授を歴任後、現職。自律神経研究の第一人者としてアスリートや芸能人のアドバイザーを務めるほか、TV出演などメディアでも活躍中。著書に、『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)、『一流の人をつくる整える習慣』(KADOKAWA)など多数。

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