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社長になれる確率は1500分の1! 会社に居続けると損をする?

成毛眞(HONZ代表)

2018年09月19日 公開 2022年11月30日 更新

<<「いまの会社にずっとお世話になるという発想は危険だ。一刻も早く転職しろ」と主張する成毛眞氏。

しかしながら、5年、10年、15年、20年とひとつの会社で働いた時間が長ければ長くなるほど、経済的にも精神的にも簡単に切り離すことは難しい。

そういった事情も踏まえながら、それでも成毛氏が「すぐに転職」を主張をする理由とは何か? 同氏の新著『定年まで待つな! 一生稼げる逆転のキャリア戦略』の一説から、その背景を探る。>>

 

社長どころか、役員にもなれない!? 宝くじで3000円が当たる可能性よりも低い

「自分は大企業にいるから大丈夫。なんとか定年まで逃げ切れる」と思っている人がいるかもしれないが、世の中、そんなに甘くない。

仮にいま順調だとしても、この先会社で出世するために、自分の人生を会社に捧げるようなことはおすすめしない。リスクが高すぎるからだ。

大企業で働いている人は、役員クラスにまで昇りつめれば、さすがに将来は安泰だが、そうなれる確率はどのぐらいあるのか。冷静に計算してみると、予想以上に低いことに気付くはずだ。

社長に至っては5年に1人ぐらいしか出ないから、毎年300名が入社する会社で、自分が入社した前後5年間の社員から選ばれるとしても、確率は1500分の1。役員なら2年に1人ぐらいは出ると思うが、それでも600分の1。

ドリームジャンボ宝くじで3000円が当たるよりも低い確率だ。そんなわずかな可能性に自分の人生を賭けるのは、きわめてリスキーといえる。

宝くじに当たらず、部長レベルでとどまっていたら、55歳前後に行なわれる役職定年によって、役職を失い、給料も減る。このとき、リストラにあっても不思議ではない。

また一つの会社でしか働いていたことがないと、他の会社では通用しにくくなる。だから、再就職先もなかなか見つかりにくい。それまで、さまざまなことを犠牲にして会社に尽くしてきたのに、こんな末路をたどる可能性は決して低くないのである。

しかし、もしいま会社を辞めたとして、退職金を半額の1500万円もらえて、これをインフレに連動する年利2%の金融商品で運用したとしたら、1500万円×140%で、20年後には2100万円になる。これは単利で計算した場合で複利になると2229万円となる。

実際、毎年2%のインフレが起こるなら、きわめて安全性の高い投資信託でも、年利は3~4%にはなるだろうから、単純に計算すると、20年間で換算すれば60~80%は増えるはず。

そうなれば、1500万円の退職金は、2400万円~2700万円ぐらいにはなる。60歳の時点で比べても、退職のタイミングの違いで1000万円近い差がついてしまう。さらに運用し続ければ、その差はさらに開くというわけだ。

このように考えていくと、いま、退職せずに会社に居続けても損をするということが、誰でもわかるだろう。

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日本政府も終身雇用支援から転職支援へ

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