命をかけて40万円は安いのか? 知られざる"フランス外人部隊"の待遇
2018年10月01日 公開 2019年04月26日 更新
外人部隊兵の給料と手当
週末を楽しむと聞いて、部隊兵の給料がどれくらいなのかということが気になる人もいるかもしれません。
私はパラシュート連隊に入り、閉ざされた生活となったので、それほど気にしていませんでしたが、安いといえば安いといえます。
現在は、基礎教育が終わった段階の手取りが千三百ユーロ(約一七万五千円)だそうですが、給料体系などはいつ変わってもおかしくありません。私の頃はもう少し安かった気がします。
軍にいる限り、衣食住の心配はあまりないので、十分といえば十分です。とくに物価の安い発展途上国から来ている人などからすれば考えにくいほどの大金に当たるようです。
とはいえ、夜に酒を飲んだり、休みを満喫しようとするなら、ほとんどお金は残せないことにはなるはずです。
パラシュート連隊の場合、週末も遠出ができず、お金を使う機会があまりありません。また、毎月、「降下手当」というものが付きます。一年間に既定回数(状況などによって異なり、四~六回程度)のパラシュート降下をすることが条件となり、現在、月に七百二十六ユーロ(約十万円)です。合わせれば手取りは二十七万円ほどになります。
また、パラシュート連隊に限ったことではなく、海外派遣になると、その手当がつきます。私はアフリカのガボンや、、アフガニスタンに派遣されたりしています。どちらの場合も月の手取りがすべて合わせて四十万円ほどになりました。
正直にいえば、ガボンでの生活はけっこう楽しいものでした。それで四十万円もらえたのはありがたいことでした。しかし、アフガニスタンのような命の保証はない戦地に派遣されて四十万円という額は多いとはいえないかもしれません。そのあたりは個人の考え方次第になるはずです。
いずれにしても、パラシュート連隊はお金が貯めやすい部隊だとはいえます。私も除隊した段階では一千万円以上の貯金ができていました。その後にいろいろあり、その貯金も今では底をつきかけているのが悲しいところですが……。
<<※本記事は、野田力『フランス外人部隊 その実体と兵士たちの横顔』(KADOKAWA刊)より抜粋・編集したものです>>