命をかけて40万円は安いのか? 知られざる"フランス外人部隊"の待遇
2018年10月01日 公開 2019年04月26日 更新
<<外国籍の兵士で構成される"フランス外人部隊" 。その部隊に6年半、在籍した日本人がその経験を記した書籍『フランス外人部隊』(角川新書)が発刊された。
海外戦地への派兵もあり、訓練でも常に死を意識させられる環境。著者の野田力氏が丁寧に語る同書の一節から、その実情が垣間見える。>>
それぞれの性格をもつ「連隊」
フランス外人部隊にはいくつかの連隊があります。
志願者が選抜試験を受けることになるオバーニュにあるのが「第一外人連隊(1eRE)」。その後に基礎教育訓練を受けるカステルノダリにあるのが「第四外人連隊(4eRE)」です。第一外人連隊は本部に当たります。総司令部や警務部のほか、音楽隊やマラソンチーム、格闘技チームなどもあります。第四外人連隊は基本的に訓練所なので、この二つの連隊は「後方支援連隊」として括られます。最初からこれらの連隊に配属されることはまず考えにくいといえます。
後方支援連隊のほかにフランス国内に駐屯する連隊は五つあります。
カルピアーニュ駐屯の「第一外人騎兵連隊(1REC)」
ロダンラルドワーズ駐屯の「第一外人工兵連隊(1REG)」
サンクリストル駐屯の「第二外人工兵連隊(2REG)」
ニーム駐屯の「第二外人歩兵連隊(2REI)」
コルシカ島駐屯の「第二外人落下傘連隊(2REP)」です。
また、かつてはジブチ共和国やアブダビに駐屯していた「第十三外人准旅団(13DBLE)」がフランス中部のラルザックに移ったため、最初に配属される連隊に加わりました。
騎兵とはもともと馬などに騎乗する兵士のことです。現代では装甲車などに搭乗する部隊も騎兵と呼ばれます。外人部隊の騎兵連隊は、多数の戦車や装甲車を保有しているので、どちらかというと海外派遣は多くなる傾向があります。
工兵連隊は、陣地や橋などといった施設の建築、地雷除去などを行います。
第二工兵連隊は「山岳戦闘工兵」とも呼ばれ、山岳部隊に近い性格をもちます。
パラシュート連隊はいわゆる空挺部隊です。だからといってパラシュート降下するだけの部隊というわけではありません。海から上陸するなど、さまざまな作戦に対応する部隊です。
基礎教育訓練を終えると、このうちどこかの連隊に配属されます。
最初から配属されることは考えにくい本土外の連隊としては、南米ギアナ駐屯の「第三外人歩兵連隊(3REI)」、モザンビーク海峡でマダガスカル島のそばにあるマヨット島駐屯の「外人部隊分遣隊(DLEM)」があります。