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生き方

自業自得――末期ガンの猟師へネットユーザーが投げつけた言葉【幡野広志】

幡野広志(写真家)

2018年12月04日 公開 2018年12月04日 更新

研ぎ澄まされる感覚、生と死についての思考

写真家として、狩猟の現場を5年間撮影した。
血まみれの手でカメラを握り、何千回もシャッターを押した。

写真を見返すと、1年目の写真には迷いや戸惑いが写っているし、5年目の写真はどこか研ぎ澄まされた感じがある。狩猟は趣味として楽しいものではなく、苦労して手に入れた肉はおいしくない。

狩猟で僕が得たものは、生と死についての思考と、作品だった。

世の中には、日々肉を食べているのに「動物を殺すなんて残酷! ウサギや鹿がかわいそう!」という不思議なメンタルの持ち主もたくさんいる。

菜食主義者や動物愛護者の一部からは、「ガンになったのは自業自得」、ほどひどくはないにせよ、狩猟をすることについてさんざん非難されてきた。

また、一般的にいって、女性には向かないテーマかもしれない。

そんな若干の危惧があったものの、写真展「いただきます、ごちそうさま。」は当初の会期を延長して、1カ月と8日間という長丁場になった。有料にもかかわらず、来場者は2215人にものぼったのだ。

コースターに書いてもらった感想を読んでいると、僕が伝えたいことはちゃんと伝わっていると感じた。

うれしかった。

いまやネットはひとつの社会で、そこで激しく攻撃してくる人がいると、それがすべてのように思ってしまう。

しかし、ネットでは何ひとつ発言しなくても、足を運び、お金を払って作品を見て、自分の言葉を残してくれる人もいる。

このコースターは、息子へのお守りにもなるに違いない。お父さんのしてきたことは、こんなことで、わかってくれる人もいるのだと。

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そして鉄砲を捨て、カメラを息子に向ける

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