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世界3大投資家ジム・ロジャーズが全財産を失って知った「失敗の教訓」

ジム・ロジャーズ(訳:大野和基)

2019年02月20日 公開 2024年12月16日 更新

<<世界3大投資家の一人に数えられるジム・ロジャーズ氏。今では投資家として揺るぎない世界的評価を得た同氏だが、そこに至るまでには全財産を失う憂き目にもあっている。

そんな逆境から氏は多くを学び、その後大投資家の称号を得るに至った。ジム・ロジャーズ氏が自身の「投資の鉄則」の一端が、著書『お金の流れで読む 日本と世界の未来』に記されている。本稿ではその一部を紹介する。>>

※本稿は『お金の流れで読む 日本と世界の未来 世界的投資家は予見する』(ジムロジャーズ著、大野和基訳 PHP新書)より一部抜粋・編集したものです。
 

「待つことができる」のは重要な才能の一つ

新聞やネットで関心を引く銘柄が見つかっても、私はすぐには手を出さない。さらなるリサーチを開始する。

私はこれまで手ひどい失敗をしたことが幾度となくあるが、失敗する時はいつもリサーチが不足していた。それを戒めに、リサーチは十分すぎるくらいに行う。

「これくらいの時間をかければ十分」と簡単に言うことはできない。投資先によって、リサーチの必要度合いは変わるからだ。もともと詳しい業界の株──たとえば私は砂糖については50年も投資をしているのでよくわかっているし、よく知っている国もある。

新しい産業、新しい会社、新しい国であれば、より深く、一からリサーチを行うが、それには高いコストとリスクが伴うので、自分がよく知っている業界や国に投資するのが一番だろう。

熟知している分野がない場合、投資はしない方がいい。銀行に金を入れておいて、自分が十分な知識を持つ分野が出てくるまで待つのが賢明だ。ひどいインフレが起きると痛みを被るが、それでも利息がつくものにお金を入れた方が、下手に投資して大損するよりよほどましというものだ。

実は「待てる」ことも、投資家に必要な資質の一つである。投資家に必要なのは、ほとんどの場合「何もしない」ことなのだ。いままで何度もそうやって多くの人にアドバイスをしてきた。

ある場所に商機が見えたら、それは正しい判断である。あとは買うだけだ。でも逆に言えば、確実に商機が見出せるまでは、何もしてはいけない。

たいていの人は、常に動き回っていなければいけないと思い込んでいる。常に株価を気にして、何か行動を起こさなくてはいけないと忙しくしている。でも、それは間違いだ。

また多くの人は──私を含めて──行動を急ぎすぎる。私はかつて、時代を先取りしすぎて失敗した経験が山のようにある。確実に商機が見えるまで、辛抱強く待たなければならない。世間の多くの人が、商機に気づくまで。

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儲けの直後は、一番失敗しやすい時

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