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バイトテロ「起こさない人」だけを採用するシンプルな方法

平賀充記(ひらがあつのり:ツナグ働き方研究所所長)

2019年03月15日 公開 2024年12月16日 更新

<<バイトテロ――。飲食店やコンビニなど働くアルバイト店員が、店舗で悪ふざけする動画をSNS上で公開するという行為が次々と発生し、社会問題となっています。

誤解を恐れずにいうと、悪ぶった姿を世間に誇示したい若者は、いつの時代にも一定数います。しかし「盗んだバイクで走り出す」と尾崎豊さんが歌った頃の昭和の不良は、ある意味見た目から分かりやすかったものです。今の若者は一見マジメで見極めが難しい。

そんなバカげたことをしないバイトを採用するには、どうすればいいのか。店長からすれば気が気でないでしょう。

そんな中、信頼のおける人材をきちんと採用できているという企業や店舗が存在するのも事実。そんな採用の勝ち組が行っている“神採用”の方法とは⁉ 『パート・アルバイトの応募が殺到! 神採用メソッド』(かんき出版)を上梓した平賀充記氏に聞きました。>>

※本稿は平賀充記著『パート・アルバイトの応募が殺到! 神採用メソッド』(かんき出版)より一部抜粋・編集したものです
 

親からのオファーや、大学生の「芋づる採用」も

採用の難易度を示す有効求人倍率は1.6倍を突破。空前の人手不足時代の今、特に飲食店やコンビニなどサービス業の現場は、スタッフやアルバイトを確保するのに苦戦しています。

「多くの募集の中から選べた時代」とは違い、店側が採用スタッフを厳選できるわけではない状況で、いわゆる"バイトテロ"を起こしてしまう人材を雇ってしまうリスクは高いといえるでしょう。

しかし、こんな採用難の世の中でも、信頼できる人材をしっかり確保している職場も少なからずあります。私たちがそんな"採用の勝ち組"職場を調査する中で発見したことは、ほんのちょっとの工夫やアイデアによってそれを実現しているということでした。

人手不足で困っているオーナーさんや店長さんはぜひ、参考にしてください。

信頼できる人材を獲得するいちばんの方法は、縁故採用です。とくに親からの紹介で入ったスタッフは、問題を起こすことが少ない。では、どうすれば親からの紹介を得ることができるのでしょうか。

答えは簡単。接客と清掃のレベルを上げることです。

店舗がキレイだったり、家庭的ないい雰囲気だったり、接客力が高かったりといった魅力あふれる職場は、応募者本人だけでなく、その親世代にも響きます。

自分の気に入った店なら「ここで我が子を働かせたい」と思うこともあるでしょう。そう、「職場力」が高いお店は、親からのオファーが来ることもあるのです。

新宿一帯にお店を持つある居酒屋チェーンでは、お客様からの「ウチの息子をこの店で働かせてほしい」という申し出が絶えません。スタッフ全員が礼儀に厳しくて、きびきびとした接客が気持ちのいいお店でした。

店長に話を聞いたところ、「親御さんの紹介は多いですね。もちろん採用するかどうかは面接して決めますが、おかげで採用にお金をかけたことはありません」と胸を張って答えてくれました。

店舗としても、まったく知らない人を採用するよりも、親御さんの紹介というのはひとつの安心材料になるでしょう。

また、学生にとって働きやすく雰囲気のいい職場なら、先輩の卒業時に後輩にバトンを渡してくれることも多くなります。

アルバイトが辞めてしまうときに“自動的に後釜を連れてきてくれる”というのは、理想的な採用手法ですよね。このルートで採用することができれば、採用コストがゼロですみます。

しかも、バトンを渡す後輩を先輩自身が選ぶので、外れ人材をつかまされるリスクが低くなります。

近隣に大学キャンパスがあるロケーションでなくても、歴代、一子相伝の大学生バイトルートが確立されている職場はいたるところに存在します。立地ではなく、学生が後輩を紹介したくなる気持ちこそが重要なのです。

大学生が働きやすい職場環境づくりで最も重要なのが「シフトの柔軟性」。授業や部活の合間を縫ってシフトに入る大学生にとって、時間の柔軟性は必須でしょう。

そのためにも、できるだけ多くの学生を確保しておくことと、学生同士がシフトを埋め合うことを推奨する空気感をつくってあげることも効果的でしょう。

そして、意外と効き目があるのが「まかないの充実」です。これは飲食店にしかできませんが、お金に余裕がなく食べ盛りの世代にとってある亜バイトをするうえでけっこう重要な要素です。

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やむを得ず辞めた元スタッフも大事な人材

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