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「“がん”になっても長生きする人」の食事と運動

大津秀一(早期緩和ケア大津秀一クリニック院長)

2019年04月27日 公開 2020年09月11日 更新

 

がん予防には、ビタミンDがたくさん摂れる魚が効く

がんの予防では、ビタミンDが注目されています。ビタミンDを多く含む食品は、魚です。いわし、鮭、うなぎ、さんま、にしん、イクラ、半乾燥品のしらす干しなどに多く含まれています。

2018年、国立がん研究センターは、3万4,000人を対象に研究を行い、血中ビタミンD濃度がある程度高い群が、がんになるリスクが低いことを示した調査結果を公表しました。

ただし、血中ビタミンD濃度が一定のレベルを超えると、それ以上の予防効果は期待できない可能性が指摘されています。「〇〇が、がん予防になる」と聞くと、そればかり食べる人もいますが、摂りすぎても意味はないのです。

厚生省が定めているビタミンDの食事摂取基準量は、18歳以上の男女とも5.5μg/日となっています。特に、しらす干しなどはgあたりのビタミンDが多い食事で、100g中に46μgも含まれています。

 

がんになっても健康な人と同じだけ運動しよう

そして、食事だけでなく運動が重要なことも健康な人と変わりはありません。先のアメリカの対がん協会のガイドラインでは、1週間に150分以上の運動と1週間に2日以上の筋力トレーニングが推奨されています。

病気なのだから、日常生活での家事や労働、通勤・通学などの運動で十分ではないかと思われるかもしれませんが、健康な人と同様に運動したほうがいいのです。

「運動」では、基本的には、ウォーキングやラジオ体操、ヨガなど自分にできることを目安の時間行いましょう。有酸素運動だけでなく、筋力強化や、柔軟性や平衡感覚維持のための運動も取り入れることが重要です。

「筋力トレーニング」も、運動と同様、スクワットや下半身トレーニングなど自分にできることを連日ではなく行いましょう。どちらも気楽に継続できることがいいと思います。

今回ご紹介した食事と運動を実践していれば、健康な人もがんになった人も、健康体重や生活の質を維持できます。誤った健康法に惑わされるのは、最後に悔いが残ります。今日からすぐに誰にもできる、科学的に証明された「食事」×「運動」の健康術、続けていきましょう。

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