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仕事

あなたの仕事の8割は、「やらなくてもいいこと」だった

佐々木常夫(元東レ経営研究所社長)

2019年04月25日 公開 2023年09月13日 更新

「決めて、略して、修正」のサイクルを回そう

「働き方を変えたい」と主体的に思えたら、次にやるべきことは「仕事を略す」です。「無駄な仕事を捨てる」と言い換えてもいいでしょう。

仕事が就業時間内に終わらない理由はただ一つ、何でもやろうとするからです。そして、何でもやってしまうのは、やるべき仕事とそうでない仕事の見極めがついていないのが原因です。

よって大事なのは、「何をやって、何を略すか」という基準を決めること。そして基準に従い、仕事を略してみる。ただし、その基準でやってみたらうまくいかなかったとか、状況の変化に伴って基準を変えたほうがいいことも当然出てきます。

その場合は、基準を修正すればいい。「決めて、略して、修正する」というサイクルを回していれば、実情に合った適切な取捨選択ができるようになります。

残業が多い人は、最初の「決める」という作業をしていません。だから優先順位が高い・低いにかかわらず、来た仕事を何でもやってしまうのです。

自分が管理職なら、チームの仕事を略すことも必要です。

私は課長になったとき、部下が過去1年にやった業務をすべて洗い出し、どれだけ無駄があるか分析しました。その結果、私の基準で判断すると、全体の4分の1がやらなくていい仕事だったのです。

そこで私は、「これらは重要ではない仕事なので、やらなくていい」と部下にはっきり伝え、仕事を捨てさせました。おかげで、私のチームはほとんど残業をしなくなりました。

このように、基準を決めれば無駄な仕事はいくらでも略せます。「皆がやっているから」「ずっとこのやり方だったから」と思考停止に陥って、来た仕事を何でもやっているうちは、定時には帰れません。

まずは「自分の基準を決めて、できるだけ略す」をモットーにしましょう。

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上司をうまく使って仕事量をコントロール

著者紹介

佐々木常夫(ささき・つねお)

佐々木常夫マネージメント・リサーチ代表取締役

1944年秋田市生まれ。6歳で父を亡くし、4人兄弟の次男として母の手ひとつで育つ。1969年東大経済学部卒業、同年東レ入社。30代前半に倒産しかけた会社に出向し再建。1987年社長のスタッフとして経営企画室で経営革新プログラムを担当。1989年繊維の営業でテグス(釣り糸)の流通改革を断行。1993年プラスチック事業企画管理部長。2001年取締役経営企画室長。2003年東レ経営研究所社長。2010年同社特別顧問。2013年より佐々木常夫マネージメント・リサーチ代表取締役。著書に『会社で生きることを決めた君へ』(PHP研究所)などがある。

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