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学生気分が抜けない新人に教えるべき、たった一つのこと

伊庭正康(らしさラボ代表)

2019年05月23日 公開 2023年09月05日 更新

学生気分が抜けない新人には疲れる。イチイチ注意をするもの面倒だし。でも、このままでは彼らのためにもならない。何かいい手があればいいのだが……。

※本稿は、伊庭正康『できるリーダーは、「これ」しかやらない』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

 

あなたの会社の若手は大丈夫?

手のかかる新人が、上司や先輩にとってのストレスとなっていませんか。

例えば、ミスをした理由を尋ねると、「まだ、教わっていなかったんで…」と平気で答えたり、できなかった理由を確認すると、「教わったようにやってはいるのですが…」と答える。

「導入研修どうだった?」と尋ねると、「わかっている内容もあったので効率が悪いなと思いました」と上から目線で評価する。「もっと、謙虚にやれよ!」と言いたくなる瞬間です。

「けじめをつけろよ!」と言っても通用しないでしょう。社会人のマインドセットがインストールされずにデビューしている人もいるからどうしようもないことです。

でも、このような新人は一事が万事で、他部署や取引先にも不満を感じさせてしまっていると思って間違いありません。そうなると、上司としての育成不足が問われても仕方がないでしょう。

 

「それくらい言わなくてもわかるだろう」は禁物

私のオススメの方法を紹介します。相手を自分と一緒だとは思わないことです。育ってきた文化が異なると考え、ルールを教えてあげてみてください。それだけで新人の態度はずいぶんと変わります。

ちょっと、説明が必要ですね。例えば、海外で育った人に仕事を教えるのと一緒だと考えてみるのです。

海外に行くと常識の違いに驚くことがありませんか。先日も私はこんな光景を見ました。香港のフェリーの中で、隣の男性はスマホから大ボリュームで広東語の何かを流していましたし、後ろの婦人は大声でケンカのような会話をしていました。でも香港ではこれが普通の光景なのです。彼らに問題があるわけではなく、日本と香港で常識に違いがあるだけのこと。

もし、彼らと日本で仕事をするなら、ルールから丁寧に教えなくてはならないでしょう。これを新人に当てはめてみるのです。

「職場では、元気に挨拶をしてほしい」「会議の際は、5分前には入室し、備品に不足はないか確認しておいてほしい」と。

それくらい言わなくてもわかるだろう、と思った時点で歯車が狂い始めます。

 

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何事も「相手軸」で考えさせる

著者紹介

伊庭正康(いば・まさやす)

〔株〕らしさラボ代表取締役

1969年、京都府生まれ。1991年、リクルートグループ(求人情報事業)入社。営業としては致命的となる人見知りを、4万件を超える訪問活動を通じ克服。それでもリーダーになるのは避けていたが、ある時リーダーに抜擢されたことから一念発起。当初は「任せ下手」で苦しむも、うまくいっているリーダーの行動を徹底的に観察するなどして、独自かつ効果的な「任せ方」を体得。その結果、プレイヤー部門とマネージャー部門の両部門で年間全国トップ表彰を4回受賞(社内表彰は累計40回以上)。営業部長、〔株〕フロムエーキャリアの代表取締役など、重要ポストも歴任する。
短期間で成果を出す手法を駆使して「残業しないチーム」を実現したこと、また管理職を務めていた11年間、メンタルダウンする部下や入社3年以内の自主退職者を1人も出さずに済んだことが、ひそかな自慢。
2011年、企業研修を提供する〔株〕らしさラボを設立。営業リーダー、営業マンのパフォーマンスを飛躍的に向上させるオリジナルの手法(研修+コーチング)が評判を呼び、年間260回にのぼるセッション(営業研修・営業リーダー研修・コーチング・講演)を自ら行なっている。リピート率は95%。

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