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日本のものづくりを支える 「放電精密加工研究所」 の危機を解決したアメーバ経営

二村勝彦(株式会社放電精密加工研究所会長)

2019年08月07日 公開 2019年08月07日 更新

 

「利益をきちんと生み出す会社」へ。部品メーカーへの挑戦

――最後に、これからの御社の戦略をお話し頂けますか?

(二村)私自身は「当社をよい会社にしたい」と思っています。社員はもちろん、取引先にとっても、株主にとっても、すべての方にとってのよい会社です。本当に、真剣にそう思っています。

よい会社とは、利益をきちんと生み出す会社のこと。そして利益を還元できる会社であり、将来への再投資ができる会社のことです。

――では、「将来への再投資」のプランをお聞かせください。

(二村)今後当社では、さらに事業の形態を変え、市場への参入方法を変えていく必要があると考えています。例えば、主力製品の一つである産業用ガスタービン部品についてです。この分野は、世界を股にかける重工メーカー同士の連携が活発です。日本国内だけではビジネスは完結しない。

そこで、現在のような国内での受託加工という土俵に留まっていては、いずれ事業として成り立たなくなる。このことは明白です。だから加工に加えて部品製造を手掛け、さらにメンテナンスの分野にも進出していきたい。

そういうストーリーが必要なのです。また、国内の重工メーカーさんとの取引を一層深め、かつ延長線上で海外メーカーと関係を築く必要もあるでしょう。

――「部品メーカー」という新たなフィールドに出て行かれるのですね。

(二村)はい。現在でも部品製造に関しては、あるお客様を通じてロールスロイスに航空機エンジン部品を届けています。航空機エンジン部品の受託加工は長年取り組んできましたが、当社は一貫生産ラインを構築し部品製造まで手掛けて、完成品をお届けするように進化してきました。

これまではモノづくりの「一部の工程」のお手伝いをさせて頂きましたが、今後は部品を完成品として供給することで、モノづくりの責任を果たしていく。そこに軸足をより多く持っていきたいと思っています。部品メーカーとしての地位を高めていきたいのです。

もちろん、そう簡単にいくものではないと認識していますが、それでもそこに、将来へのステップがあります。当社の存在価値を認めていただける領域があるなら、思い切って飛び込むべきです。そして、一歩一歩前進していく。その姿勢がこれからの成長戦略に欠かせないのです。

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