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伸びる会社は人材育成に時間とお金をケチらない

小山 昇(株式会社武蔵野社長)

2019年08月05日 公開 2019年08月05日 更新

カリスマ社長が指南! 実践ホワイト経営

小山 昇(株式会社 武蔵野 代表取締役社長)
こやま・のぼる*1948年山梨県生まれ。東京経済大学卒業後、’76年に株式会社武蔵野の前身である日本サービスマーチャンダイザー株式会社に入社。一時独立するが、復帰して’89年より代表取締役社長に就任。赤字続きの会社を増収を続ける優良企業に育て、日本で初めて「日本経営品質賞」を2度受賞(2000年度、2010年度)。同社の経営の仕組みを紹介する経営サポート事業を展開し、700社以上の会員企業を指導、うち400社は過去最高益を出している。「経済産業大臣賞」(2001年度)、「IT経営百選最優秀賞」(2004年度)受賞。

人材育成にお金をかけすぎて倒産した会社はない――。日本経営品質賞を二度受賞した株式会社武蔵野の小山昇社長は、そう断言する。中小企業こそ人を育てることに力を入れるべきという信念で、社員のやる気を高め、成果につながる教育を模索・実践し続けてきた。その仕組みづくりの要諦を明かす。
 

中小企業は「人」が要

「あいつは使えない」――部下をそんなふうに評価するだけで、育てることを考えていない管理職がいます。これは管理職としての仕事を放棄しているも同然です。

そもそも、中小企業で黙っていても「使える人材」が集まってくるなら、誰も苦労しません。「使えない」ことなど、はなから百も承知で採用している。それをいかに「使える人材」に育てていくか。中小企業にとっては、それが盛衰のカギを握ります。

かつての武蔵野は、どうしようもない“落ちこぼれ集団”でした。それが日本経営品質賞を二度も受賞するほどに成長することができた。長い年月をかけ、粘り強く社員教育を続けてきた結果にほかなりません。

中小企業の人材不足は、これからさらに深刻な時代を迎えます。だからこそ今、人に対して時間とお金をつぎ込むべきなのです。

会社を成長させるのは、人の力以外にはありません。特に中小企業は、教育に手を抜くと、途端に社員のレベルが下がります。

武蔵野が計上している教育研修費は、年間約1億円。全社員平均で100時間以上を割いています。

社員教育には、時間とお金を「かけすぎる」くらいでちょうどいいのです。

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