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「保険に入るなら掛け捨てがトク」と言われる絶対的な理由

荻原博子(経済ジャーナリスト)

2020年01月15日 公開 2023年01月05日 更新

「保険は難しい」という声をよく耳にする。だが、保険が家計に占める割合は大きく、老後に向けて「保険の見直し」は不可欠であるだけに、わからないでは済まされない。

よく「保険はお守りがわり」と言うが、経済ジャーナリストの荻原博子氏は「"生命保険"には、病気で入院(通院)したり、死亡したらお金が出るという、お金の支払い機能しかない」と主張する。

このように、保険について知っているようでじつは知らないことは多い。そこで本稿では、荻原氏の著書『保険ぎらい』より、「掛け捨て型」「貯蓄型」のどちらの保険を選んだほうが得なのかを解説した一節を紹介する。

※本稿は、『保険ぎらい』(PHP新書)の内容を一部抜粋、編集を加えたものです。

 

保険で貯蓄できると思うな!

生命保険には「死亡保障」と「入院(通院)保障」という2つの保障があります。これは、1年ごとの掛け捨てです。

「掛け捨て」と聞いて、「そんなことはない、私の保険は掛け捨てではなく貯金にもなります」と言う方がいます。たしかに、貯金のかわりに保険に入っている人もいます。こうした保険は「貯蓄型の保険」と言いますが、この保険の仕組みはどうなっているのでしょうか。

簡単にいえば、「貯蓄型の保険」は、掛け捨ての「死亡保障」や「入院(通院)保障」に貯金を付けたものと考えればいいでしょう。

生命保険の「死亡保障」や「入院(通院)保障」は掛け捨てですが、この2つの掛け捨ての保険料とは別に、支払った保険料を貯金する機能がくっ付いているのが「貯蓄型の保険」です。

ほとんどの生命保険では、毎月の保険料が加入期間中を通して変わりません。つまり前半は本来の保険料よりも多く徴収し、後半の保険料の値上がり分に充てています。この、前半で多く徴収されたお金も、いずれ保障に使われるまでは、貯金として運用されます。

「貯蓄型の保険」の場合は、その貯蓄部分をさらに増やして、保険期間満了後に、満期保険金として支払われるのです。

ただし、「死亡保障」や「入院(通院)保障」といった掛け捨ての保障がないものは、「貯蓄型の保険」として成り立ちません。

「貯蓄型の保険」は、貯金としての積立もするので、当然ながら、その分だけ保険料は高くなります。

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