ボトルに「ありがとう」と書いて水を飲む…"がん"の恐怖と戦う人の一変した日常
2020年03月06日 公開 2024年12月16日 更新
心理学の人気講師として活躍ていた刀根健氏は、ある日、予想だにしなかった「がん宣告」を受ける。ステージ4の肺がんで、すでにリンパ節にも転移しているという厳しい状態だった。
そんな苦境から生還した刀根氏の壮絶な体験を著した書『僕は、死なない。』では、医師からがんであること告げられて以降、苦悩と苦悶に満ちた日々をを隠さずに記している。その一節をここで紹介する。
※本稿は『僕は、死なない。』(SBクリエイティブ刊)より一部抜粋・編集したものです
食事は味気なく、単なる栄養補給のための作業に
どうやったらがんを消せるのか?
あの日以来、僕の頭の中にはいつもこの叫び声が鳴り響いていた。僕は調べた。徹底的に調べた。ネットを検索し、本を読み……そして、できることを実行し始めた。
そう、まさに背後は底なしの断崖絶壁なのだ。このまま何もしないで病院任せなんて絶対にできなかった。
まずは野菜ジュース、がん患者の必須アイテムだ。キャベツやにんじん、ブロッコリーやりんごなど季節の野菜をミキサーにぶち込み、ドロドロにしたものを1リットル以上、毎朝必ず飲む。野菜はフィトケミカルという栄養素の高いものを選んで食べることにした。
キノコから抽出されたサプリ。価格が高いが、どうこう言っていられない。
ビタミンC途中から飲むビタミンC点滴と言われているアメリカ製のものにバージョンアップした。服用するタイミングも朝起きてすぐ、昼間、寝る前と三回に分けて空腹時に服用するようにして分量も工夫をした。
身体に入れる水は大切だ。古代の地層から採取された水をネットで購入。毎日の水分はこれで摂ろう。抗酸化処理をしてあるブルーボトルに「ありがとう」「大好き」などの文字を書いて水を入れ替えて飲むことにした。言霊の力は侮れない。
胃がんステージ3から寛解(かんかい)した人から教わったジュースも定期購入することにした。マクロファージを強化するというサプリを見つけた。別のサプリと一緒に飲むことにした。
ご飯は玄米に。家族は白米なので僕専用の炊飯器を購入した。身体によい良質の油、亜麻仁油を毎日小スプーン1杯、食事に混ぜて摂取するようにした。
がんを消したというハーブティーを見つけた。もちろん、即購入して実行。ミネラルも毎日飲んだ。このミネラルは特殊な地層から採取したもので、かなりの治療効果があるらしい。
砂糖やコーヒーなど嗜好品は一切禁止。もちろんケーキや清涼飲料水などもってのほか。僕は甘党だっただけに残念だったが、そんなことを言ってはいられない。
身体に入れる食品は常に成分表示を確認し、果糖やブドウ糖などが少しでも入っていたら絶対に口にしない。
小麦粉もやめた。したがってパンや麺類も一切食べなくなった。もちろん着色料や添加物の入っている食品も絶対に食べない。
肉類もいっさいやめた。動物性タンパク質、牛乳や卵、ヨーグルトもいっさい口にしない。代わりに良質なソイプロテインでたんぱく質不足を補う。
がんを消すためには味などにこだわっていられなかった。食事は味気ないものになり、単なる栄養補給以外の何ものでもなかった。